マニュアル作成のポイント!書き方のツボとコツ
マニュアルを作成することで、業務の効率化によるコスト削減や、業務の品質維持、向上など、多くのメリットがあります。
しかし、「なかなか手が進まない」「マニュアル作成の途中で挫折してしまう」などの経験はないでしょうか。
本記事では、基本的な書き方のポイントや過去の失敗例からマニュアル作成のツボとコツが分かることで、マニュアルを完成させることができます。
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 1.1.マニュアルとは?
- 1.2.マニュアルのメリット
- 1.2.1.1)業務品質の維持/向上
- 1.2.2.2)業務効率化によるコスト削減
- 1.3.作業手順書との違いは?
- 2.マニュアル作成の基本ポイント
- 3.マニュアル作成の流れ
- 4.マニュアル作成の失敗事例
- 5.まとめ
はじめに
マニュアルとは?
業務全体を俯瞰することや業務フローを把握するためにまとめられたドキュメントのことを指します。
新入社員や担当者変更など業務経験が初めての方に向けて作成することにより、業務を円滑に進めることが可能になり、属人化を防止することができます。
単純なフローを記載するだけではなく、業務の基本的な方針を記載することによって、慣れていない人でもスムーズに業務を理解することができ、業務品質を維持することができます。
また、日頃の業務で培ったノウハウや使用ツール等の内容もマニュアルへ追加することにより、業務の引き継ぎを容易にして業務を効率化できます。
マニュアルのメリット
マニュアルを作成することにより、以下の二つが期待できます。
1)業務品質の維持/向上
会社には理念や方針があり、目標や目的を達成するためにそれぞれの業務が存在していますが、そこには必ず意味があります。
何のために業務をしているのか、業務を俯瞰せず方針も理解しないまま進めてしまうと、重大なミスに気が付かないことや、応用を利かせることができません。
マニュアルを作成することで、業務の必要性と業務の重要性を理解して意識の統一をすることができます。
また、作業手順の背景を把握することで、万が一、マニュアル自体にミスがあったり、無意味な手順があった場合にも気が付きやすく、より正しく無駄のない手順に修正するなどの柔軟な対応も可能です。
このように、マニュアルを作成することで業務品質の維持や向上が期待できます。
2)業務効率化によるコスト削減
新入社員や担当者変更など業務経験が初めての場合、引継ぎの工数が必ず発生します。
そして、業務のノウハウやナレッジが個人に依存している状況では、通常よりもさらに引継ぎの工数がかかってしまいます。
マニュアルがあることで上記のような引継ぎのための工数を大幅に削減することができます。
作業手順書との違いは?
マニュアルと作業手順書は、区別されます。
作業手順書は、マニュアルにある作業工程ひとつひとつの手順が詳細に記されたものです。
作業における動作のすべてが手順化されているため、作業手順書の通りに進めれば、誰が実施しても同じ結果に繋がることがポイントです。
マニュアルも作業手順書も同じように感じますが、たとえば作業員が現場へ到着した場合の入館手続きフローで説明するとわかりやすいでしょう。
マニュアル
「お客様と対面しないように、ビルへの入館および、従業員用のルートを使用して事務所へ入室する」と記載します。
作業手順書
「1:ビル北口に向かう、2:セキュリティカードでビルへ入館、3:従業員用エレベーターで10Fへ行く、4:事務所の従業員用入口から入室する」と記載します。
マニュアル作成の基本ポイント
業務全体を俯瞰できるように記載する
業務の理解を深めるためにも全体を俯瞰できる必要があります。
全体の解像度を高めることにより、マニュアル利用者の業務理解度も高まります。
また、業務の役割も明確にすれば業務の精度を上げることも期待できます。
マニュアル利用者のレベルにあった文章にする
文章を明確にするために5W1Hを意識して作成するとともに、新卒社員と中堅社員ではレベル感が変わってくるため、マニュアル利用者のレベルに合わせた文章にすることも大切です。
また、基本的な業務を記載するだけでなく、過去の事例も踏まえて記載することで理解度も高まり、応用が効くようになります。
瞬間的に把握できるように表や図を使用する
文章ばかりのマニュアルではイメージがつきにくいケースもあるため、その際は表や図をいれることにより業務のイメージがつきやすくなります。
後からマニュアルを見返す際にも、表や図だけでも要点を把握することができます。
マニュアル作成の流れ
Step1.作成計画を立てる
まずは、マニュアルをいつまでに作成させる必要があるか期限を決めましょう。
そして、期限までにマニュアルを完成させるために掛かる工数を算出します。
その算出結果をもとに、作業を進めるための人員を割り当てましょう。
Step2.業務を整理し、注意点を洗い出し、対応範囲を決定する
業務に関わる担当者と業務の方針や内容を話し合い、業務内容を整理します。
人により業務の進め方が違うケースや、過去の対応の中での注意点も洗い出すなど、効率的な進め方も含めて検討する必要があります。
また、削減可能な業務や作業手順と、マニュアル化すべき業務範囲をあらかじめ決めておくことにより、スムーズにマニュアルの作成を進めることができます。
Step3.目次と構成の作成
目次も構成もなく進めてしまうと工数ばかり掛かるだけではなく、内容もまとまりがないものになってしまいます。
マニュアルを作成する目的がズレないように、あらかじめ目次と構成も決めておきましょう。
業務を整理した内容を元にマニュアルが利用されるシーンを想定して分かりやすい目次と構成が作成できれば、後は構成に沿って内容を盛り込んでいくだけになるので、スムーズに作業が進みます。
マニュアル作成の失敗事例
業務の範囲を広げすぎて、作成途中で放置してしまう
すべての業務を網羅できるようなマニュアルを作成したくなりますが、当然のことながら作成ボリュームが膨大になって工数も多く必要になります。
これにより、マニュアル作成が途中で挫折してしまう原因になったり、マニュアルを読む側の負担も増えてしまうため、お互いにメリットが見出しにくくなります。
適切な業務の範囲とマニュアル利用者のターゲットを絞り、計画を立ててマニュアルを作成していきましょう。
業務で必要なときに探せない
後でマニュアルを見返したときに必要な箇所のみ見たいケースがあります。
その際にマニュアル利用者が必要とする情報が得られないようなマニュアルの場合は、利用されなくなって本来の目的とは反した結果となってしまいます。
適切な目次や見出しがあることにより、いち早く必要な情報にたどり着くことができ、マニュアル利用者の満足度が向上するため、利用者目線のマニュアルを作成するように心がけましょう。
マニュアル内容が分かりづらい、情報が古い
マニュアルは、完成したらそこで終わりではありません。
マニュアル作成者とマニュアル利用者では業務の理解度も違うため、利用者のレベルに合っている内容になっていないと、実用性がないためにマニュアルが使われなくなってしまいます。
また、過去に作成したマニュアルは情報が古くなっている可能性もあるため、現在の運用と照らし合わせて、マニュアルをアップデートしていく必要があります。
マニュアルの情報が古い場合にも、実用性がなく使用されなくなる原因となります。
不明点がないかなど定期的にフィードバックをもらい、マニュアルの改善をしていくことが大事です。
まとめ
マニュアルを作成することで、業務の属人化を防ぎ、業務品質の維持や向上に期待できます。
しかし、マニュアルは利用者に読まれて初めて効果が発揮されるので、やみくもにマニュアルを作成するのではなく、計画立てて、分かりやすく的確に作成する必要があります。
今回は基本的なポイントを解説しましたが、マニュアルは環境や利用者によって分かりやすさや使いやすさが変わってきます。
業務効率化や品質向上のためには、作成者と利用者が一緒になってマニュアルの作成および更新を行っていくことが大切です。
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