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SESで残業はできるのか|SESにおける契約の種類や注意点などを解説

IT業界においてよく使用されるSES契約ですが、SESにおける残業時間が問題化しています。SESであってもクライアント企業から直接残業指示を受けるケースも報告されており、偽装請負にも注意が必要です。本記事では、SESにおいて残業問題が出てしまう理由や偽装請負を避けるためのポイントなど、SESにおける残業について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.SESとは
    1. 1.1.SES契約とは
    2. 1.2.SESが活用される業界
  2. 2.SES契約の種類
    1. 2.1.SESでは準委任契約が多い
    2. 2.2.請負契約は成果物が求められる
    3. 2.3.派遣契約は許可が必要
  3. 3.SESは残業ができるのか
    1. 3.1.SES契約上は残業できる
    2. 3.2.SESの残業実態
  4. 4.SESで残業が問題視される理由
    1. 4.1.稼働日によって残業時間が変動する
    2. 4.2.監督者の管理が行き届いていない
  5. 5.SESにおける残業の注意点と偽装請負
    1. 5.1.偽装請負を防ぐため、残業を直接指示しない
    2. 5.2.サービス残業をさせないように注意する
  6. 6.SESで残業問題を起こさないためのポイント
    1. 6.1.SES契約書などで残業のルールを定める
    2. 6.2.SES契約や残業について現場担当者向けに周知する
  7. 7.まとめ

SESとは

SESについて、SES契約の内容や活用される業界を踏まえて解説します。

SES契約とは

SESは、「システムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)」の略であり、エンジニアの技術を提供する企業と、発注主であるクライアント企業との間で締結する契約を指します。エンジニアはSES企業の正社員として雇用された後、クライアント企業のプロジェクトに参画します。

SESが活用される業界

SESは、システムやソフトウェア、アプリケーションなどの開発・保守・運用業務の委託契約でよく活用されているのが特徴です。SESと混同されやすい単語「Sler(システムインテグレーター)」は、「システム開発やITインフラ構築を請け負う企業」を指しており、「契約形態」を指すSESとは性質が大きく異なります。

SES契約の種類

SES契約の種類によって、指揮系統や報酬に関しての内容が異なります。ここからは、SES契約の種類と特徴について解説します。

SESでは準委任契約が多い

SESでは準委任契約が多く使用されており、これは法律以外の特定の業務の遂行を目的とした業務委託契約です。時間や作業量に対して報酬が支払われ、成果物に対する責任がないといった特徴があります。

また、準委任契約は、指揮命令権がベンダー(エンジニアを提供する企業)側にあります。契約で定められた以上の労働を求めることはできません。

請負契約は成果物が求められる

準委任契約以外の委託業務契約である請負契約では、成果物の完成を約束しており、納品して検収が完了しなければ、報酬を得られない点で準委任契約とは大きく異なります。

また、契約不適合責任を負うことになるため、作業には細心の注意が求められます。

派遣契約は許可が必要

派遣契約では、雇い入れる側(クライアント企業)が指揮命令権を行使する権利をもっており、労働派遣法に基づく厳しい法的ルールが適用されるのが特徴です。

派遣契約を行うためには、厚生労働大臣の認可が必要であり、認可が下りていないなどの場合には厳しい罰則が適用されます。

SESは残業ができるのか

SESで問題視されている残業ですが、SESにおいて残業ができるのか、実際の残業形態はどのようなものかについて解説します。

SES契約上は残業できる

所属企業とクライアント企業の間で締結される準委任契約では、労働時間が「精算幅」として「140~180時間」(下限140時間、上限180時間)のように設定されています。

たとえば、一日8時間・月20日勤務の場合、労働時間は160時間となるので、20時間までは残業させても追加経費は発生しません。ただし、現場からの指示による残業はできず、「現場の自社作業責任者からの指示」がある場合のみ残業できるのがポイントです。

SESの残業実態

契約上では、現場からの指示では残業できず、さらに所属企業の担当営業から「残業しなくていい」と言われたとしても、現場の忙しさや周囲の残業状況によっては帰宅しにくいのが現状です。

ただし、残業代がきちんと支給されるのであれば、働いた分は給料に反映されるため、デメリットばかりでもありません。しかし、なかにはサービス残業で対応してしまっているケースもあるため、注意が必要です。

SESで残業が問題視される理由

SES契約上は残業が可能ですが、SESでの残業が問題視されています。ここでは、SESで残業が問題視される理由について解説します。

稼働日によって残業時間が変動する

月140時間~180時間くらいの稼働時間をベースとしたSES契約が多く、稼働日によって残業時間が変動してしまうことが問題視されています。また、月の稼働日が少ない場合、一日あたりの稼働時間が長くなるため、残業時間も多くなってしまいます。

監督者の管理が行き届いていない

責任者は常駐である必要がなく、営業担当者などを責任者とするケースがあります。管理責任者を常駐させない場合は、不在時も管理や情報共有などが必要です。しかし、勤務表の提出は、締日に行うことが多いため、提出されるまでは残業時間に気が付かないなど、管理が行き届いていないケースが多くみられます。

SESにおける残業の注意点と偽装請負

SESで残業を行う、もしくは指示する場合にはいくつかの注意点を把握しておくことがポイントです。また、状況によっては、偽装請負となるケースもあります。ここからは、SESにおける残業の注意点と偽装請負について解説します。

偽装請負を防ぐため、残業を直接指示しない

SESにおいて、「現場から残業の指示」をすると違法になります。まずは、SESエンジニアの営業担当に相談し、所属会社から作業者への残業を指示してもらうのが適切です。また、現場のクライアント企業の従業員が残業を直接依頼しないように、残業の依頼方法についてしっかりと周知しておく必要があります。

サービス残業をさせないように注意する

情報セキュリティの観点から、パソコンの持ち帰りができないなどの理由を伝えることで、SESによる作業者が仕事を持ち帰ってしまわないようにする必要があります。また、始業開始前に仕事を始めてしまうのも残業扱いとなるので、就業時間内で仕事することを徹底します。

どれほど多忙であっても、契約で定められた以上の労働を依頼できないことは周知しておきましょう。

SESで残業問題を起こさないためのポイント

SESでは、就業形態や残業に関するトラブルが問題視されていますが、契約書の内容やSES契約に関する内容を周知することによって避けることができます。SESで残業問題を起こさないためのポイントをご紹介します。

SES契約書などで残業のルールを定める

基本契約書や個別契約書、発注書などすべての書類において、「クライアント企業が残業や休日労働の決定をする」と読めてしまうような文言は削除が適切です。クライアント企業が作業者に対し、残業・休日労働に関する指示や管理(許可や変更、調整など)をしないよう定めておく必要があります。

SES契約や残業について現場担当者向けに周知する

偽装請負とならないように、クライアント企業の従業員に対しても、SES契約や派遣契約などの労働契約について周知しておくことがポイントです。SES作業者へ残業、休日労働について要望がある場合には、作業者の所属会社(受託者)に対し、基本契約に基づいて正式に要請するのが適切な対応方法といえます。

まとめ

SESにおいて残業が問題視されていますが、SES契約での残業は問題ありません。しかし、契約内容や指揮命令権の所在、クライアント側の従業員への周知状況などによっては、さまざまなトラブルが発生する恐れがあります。ベンダーとクライアント間でのトラブルを避けるためにも、残業に関する契約内容の明記や従業員への周知が重要です。
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