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準委任契約における指揮命令とは?指揮命令になる基準や回避のポイントについて解説

準委任契約における指揮命令とは、委託者から受託者に向けて、業務に関する指示を出すことです。契約書に記載されるべき事項であり、依頼主が委託先の行動に一定の制約を課すためにも用いられます。しかし、準委任契約では、何が指揮命令と判断されるのか悩む担当者も多くいます。
この記事では、準委任契約における指揮命令について解説します。各契約の相違点や、指揮命令に該当する行為などについても解説するので、参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.準委任契約における指揮命令とは
    1. 1.1.準委任契約で指揮命令が違反になる理由
  2. 2.準委任契約とは
    1. 2.1.委任契約
    2. 2.2.請負契約
    3. 2.3.労働者派遣契約
  3. 3.準委任契約は2種類
    1. 3.1.履行割合型
    2. 3.2.成果完成型
  4. 4.準委任契約で得られるメリット
    1. 4.1.自社の必要に応じた期間で契約できる
    2. 4.2.労働力を柔軟に確保しやすい
    3. 4.3.工程ごとに依頼できる
    4. 4.4.労務管理や人材育成の手間・コストを削減できる
  5. 5.準委任契約で受けるデメリット
    1. 5.1.委託者に指揮命令権はない
    2. 5.2.契約期間が終わると関係性が切れる
    3. 5.3.成果が得られなくても報酬は発生する
  6. 6.準委任契約で指揮命令とみなされる基準
    1. 6.1.業務プロセスや作業時間などを指示する
    2. 6.2.契約以外の業務を依頼する
    3. 6.3.委託者が受託者を評価する
  7. 7.準委任契約で指揮命令にならないポイント
    1. 7.1.準委任契約の特徴を理解する
    2. 7.2.契約書を明確化する
  8. 8.準委任契約における指揮命令の注意点
  9. 9.人材紹介サービスを選ぶには
    1. 9.1.報酬単価の相場に合った金額を見積もる
    2. 9.2.手数料率を事前に確認する
    3. 9.3.登録者数や導入実績の豊富さで選ぶ
  10. 10.まとめ


準委任契約における指揮命令とは

準委任契約における指揮命令とは、業務の対応方法や進め方などを、委託者が受託者に対して指示することです。しかし、準委任契約では、委託者が受託者に対して指揮命令をすることは、基本的に禁止されています。なぜなら、偽装請負となってしまうからです。

偽装請負とは、契約形態が業務委託契約でありながら、実態としては労働者派遣契約になっている状態のことです。

準委任契約で指揮命令が違反になる理由

準委任契約は、受託者が自らの裁量と責任で、業務を遂行することを前提としています。そのため、委託者と受託者の間で雇用関係は発生しません。雇用関係がないにも関わらず指揮命令を実施すると、労働者の派遣に該当してしまい、契約と実態の乖離を引き起こします。

この状態に当たるのが、偽装請負です。偽装請負では労働者が不利な立場になりやすく、待遇や労働環境が不安定になるなど、さまざまな弊害につながる可能性があります。

準委任契約とは

準委任契約とは、法律行為に該当する事務処理を除く、特定業務の遂行が目的となる契約です。雇用元は受託会社であり、指揮命令権も受託会社の管理に置かれます。

さまざまな場面で使用されていますが、なかでもエンジニアやコンサルタントなどの分野で使われやすいです。なお、準委任契約と比較・混同されやすい契約は以下の通りです。

委任契約

準委任契約と比較・混同されやすい契約として、委任契約が挙げられます。委任契約が準委任契約と異なる点は、対応する業務の種類です。
委任契約は、法律業務や法律行為となる事務処理の遂行を目的としています。対する準委任契約は、法律関連を除いた業務が遂行の対象です。目的以外の部分については、基本的にどちらも共通しています。

なお、法律に関連する業務は多岐に渡ります。例えば、税理士事務所における税務業務や宅建取引士における不動産契約などです。

請負契約

請負契約も準委任契約と比較・混同されやすい契約の一つです。請負契約の目的は仕事の完成であり、成果物の納品を報酬の対象としています。

一方の準委任契約の目的は業務の遂行だけです。業務を遂行した結果として、成果物が納品できるかは問われません。

例として、研究・調査業務を準委任契約で受託した場合を挙げます。これは、研究や調査の実施が目的であり、結果は関係ありません。しかし、住宅建築を請負契約した場合は、結果が重要となります。業務を遂行していても、実際に住宅が完成していなければ債務不履行です。

労働者派遣契約

労働者派遣契約とは、労働力の確保が目的の契約です。準委任契約との主な違いは、指揮命令系統の所在となっています。

労働者派遣契約では、派遣先の会社が指揮命令系統となって、さまざまな業務指示を出します。一方の準委任契約は、指揮命令系統を保持しているのが受託会社です。そのため、労働者に対して受託会社が業務指示を出します。

準委任契約は2種類

準委任契約は2つの種類に分かれます。それぞれの種類の詳細は下記の通りです。

履行割合型

履行割合型は、労働力や労働時間に報酬を支払う契約です。あくまで労働することが目的であり、業務の完了については問われません。さらに、業務の履行が不能になったり、契約が途中で終了したりしても問題ありません。状況に応じた、適切な報酬を請求可能です。

成果完成型

成果完成型の契約では、成果物や納品物に対して報酬を支払います。こちらも業務を完了させる義務はないです。また、成果が出せなかったり、途中で契約が終了したりした場合でも報酬を請求できます。この場合の報酬は、委任者が受ける利益の割合に応じた額になります。

準委任契約で得られるメリット

準委任契約で得られるメリットはさまざまです。ここからは、代表的な4つのメリットを解説します。

自社の必要に応じた期間で契約できる

一つ目のメリットは、自社の必要に応じた期間に合わせて契約できることです。準委任契約には、期間に関する制限が存在しません。そのため、目的を果たしたら、適宜契約を解除できます。

労働力を柔軟に確保しやすい

二つ目のメリットは、労働力を柔軟に確保しやすいことです。準委任契約は、契約を結ぶ相手の人数にも制限がないためです。委託者は、業務を実施してくれる受託者を効率よく確保できます。

工程ごとに依頼できる

準委任契約なら、不足している工程の部分だけ、局所的に人員を増やす契約が可能です。また、一部の工程を委任すれば、短い期間でも報酬につなげられます。

労務管理や人材育成の手間・コストを削減できる

スキルや実績のある人材が準委任契約で確保できたら、即戦力としての活躍が期待できます。そのため、労務管理や人材育成の手間・コストを削減可能です。専門業務をプロに任せれば、全体の効率アップにもつながります。

準委任契約で受けるデメリット

準委任契約で受けるデメリットもあります。以下は、具体的なデメリットとそれぞれの詳細です。

委託者に指揮命令権はない

準委任契約では、業務の進め方についての指示は出せません。また、準委任契約の受託者へ指揮命令をすると、偽装請負と見なされます。偽装請負は法律違反なので、誤って指示しないように注意が必要です。

契約期間が終わると関係性が切れる

契約期間が終わると関係性が切れるため、特定の人と長期的に渡る関係を築きにくいです。さらに、自社に専門的な知識やノウハウなどを蓄積しにくくなるのも、弊害として挙げられます。

成果が得られなくても報酬は発生する

準委任契約で受けるデメリットの一つが、成果が得られなくても報酬は発生する点です。準委任契約のなかでも、履行割合型の場合は、仕事を遂行した工数や作業時間に対して報酬を支払います。そのため、完了していない場合でも一定の費用がかかります。

準委任契約で指揮命令とみなされる基準

準委任契約を用いる場合、指揮命令とみなされる基準は把握しておくべきです。代表的な基準は、下記の3つです。

業務プロセスや作業時間などを指示する

業務プロセスや作業時間などを指示することは、指揮命令と見なされます。委託者から受託者に対して、始業・就業時刻や業務場所の指示をすることも不可能です。

契約以外の業務を依頼する

契約以外の業務を依頼すると、指揮命令という扱いなります。契約締結した際の注文書に、記されている業務のみが遂行する対象です。委託者は、受託者の仕事を直接管理してはなりません。

委託者が受託者を評価する

委託者が受託者に対して評価をすると、偽装請負になる可能性があります。受託者を評価する権限があるのは、受託者の所属する企業のみです。業務を依頼しているとしても、委託者はそれらのよしあしを評価できません。

準委任契約で指揮命令にならないポイント

準委任契約で指揮命令にならないためのポイントを解説します。具体的なポイントとそれぞれの詳細は下記の通りです。

準委任契約の特徴を理解する

準委任契約の特徴を理解することは、指揮命令を防ぐために大切なポイントです。準委任契約の特徴だけに留まらず、委託契約や請負契約、労働者派遣契約などとの違いも把握しましょう。また、禁止事項についても理解しておくべきです。

契約書を明確化する

準委任契約で指揮命令にならないポイントとして、契約書を明確化することが挙げられます。契約書で定めた業務の範囲内であれば、委託者が受託者へ依頼できるからです。契約を締結する際に抑えるべきポイントは以下の通りです。

  • 業務の内容
  • 報酬の金額
  • 支払いに関する条件や時期、方法など
  • 成果物の権利の保有者
  • 再委託の可否
  • 秘密保持に関する条項
  • 反社会的勢力でないことの確認
  • 禁止事項の詳細
  • 契約解除の条件
  • 損害賠償に関する詳細
  • 契約期間に関する詳細
  • 所轄の裁判所に関する詳細

準委任契約における指揮命令の注意点

準委任契約における指揮命令の注意点として、偽装請負になることが挙げられます。具体的には、労働基準法第6条、職業安定法44条により違法行為となります。

違法行為と認定されると、受託者・委託者共に罰則を受けかねません。責任範囲を明確にするために、適切な種類の契約を的確に使い分けましょう。

人材紹介サービスを選ぶには

人材紹介サービスを選ぶ際は、いくつか意識するべき点があります。ここからは、具体的に意識するべき点と詳細を解説します。

報酬単価の相場に合った金額を見積もる

報酬単価の相場に合った金額を見積もることが、人材紹介サービスを選ぶ際のポイントです。受託者の多くは、独立していて高いスキルを持っている人材です。そのため、仕事内容や求めるスキルに合わせて、相応の報酬を見積もるようにしましょう。

手数料率を事前に確認する

人材紹介サービスを選ぶ際のポイントとして挙げられるのが、手数料率を事前に確認することです。

人材紹介サービスは数多く存在していますが、サービスによっては手数料が相場より高い場合もあります。そのため、複数社を比較・検討して選ぶべきです。

登録者数や導入実績の豊富さで選ぶ

人材紹介サービスの良し悪しを判断するには、各種実績などが基準となります。具体的には、利用者数や取引社数、支援実績や取引実績などです。また、ユーザーの口コミも参考になるため、確認できる場合は活用しましょう。

まとめ

準委任契約における指揮命令の詳細や準委任契約の概要、準委任契約で得られるメリット・デメリット、準委任契約における指揮命令の注意点や人材紹介サービスを選ぶ際のポイントなどを解説してきました。

準委任契約は柔軟性の高い契約であり、不足したリソースを補強するのに役立ちます。特に、IT系の人材は需要に対して供給が少なく、適切に確保することが重要です。

アイエスエフネットは、ITインフラサービス専門としては日本最大級の会社です。派遣するエンジニアは正社員で雇用しており、教育・サポートの体制も充実しています。内勤の技術体制もあり、常駐ITエンジニアのバックサポートも実施しています。IT系の人材の不足で悩んでいる企業の担当者の方は、ぜひアイエスエフネットの利用を検討してみてください。

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