オフショア開発を進める際には、現地エンジニアの管理が重要です。オフショア開発では、エンジニアだけでなく、進捗状況やコミュニケーションの取り方なども管理する必要があります。当記事では、オフショア開発で管理すべきことやポイントなどについて解説します。オフショア開発を検討している人は参考にしてみてください。

オフショア開発とは

オフショア開発とは、ソフトウェアやアプリケーション、ITインフラの開発・構築業務を海外の企業に委託する手法です。日本国内よりも人件費が低い国の企業に委託することで、コストを抑えつつ高い技術力を持つIT人材に業務を任せられます。また、IT人材不足が課題となっている日本では、オフショア開発は効果的な人材確保手段でもあります。

オフショア開発と似た言葉との違い

ここでは、オフショア開発と似た言葉について解説します。

ニアショア

ニアショアとは、開発業務を国内の別の地域にある企業に委託する方法です。東京などの首都圏から地方の企業に業務を依頼することでコスト削減につながります。言語や文化の違いがないため、コミュニケーションが取りやすく、プロジェクトの進行や仕様の確認がスムーズに行えることが大きなメリットです。

オンショア

オンショアとは、自社の内部で開発を行う方法を指します。社内で管理できるため、コミュニケーションがスムーズであり、かつ情報漏洩のリスクも抑えられます。ただし、社内での人材育成や維持には高いコストがかかるため、オフショアやニアショアに比べて経費が大きくなる可能性があります。

オフショア開発で管理すべきこと

ここでは、オフショア開発で管理すべきことについて解説します。

進捗状況

オフショア開発では、開発の進捗状況や全体のスケジュールを定期的に確認する作業が欠かせません。その際に導入したいものが進捗管理ツールです。進捗管理ツールを活用することで、プロジェクト全体の見通しをリアルタイムで把握でき、遅延の解消にもつながります。さらに、適切な締切を設定しておくことで、チームが目標に向かいやすくなり、スムーズな進行に期待できます。

コミュニケーションの取り方

オフショア開発では、文化や言語の違いによるコミュニケーションの難しさは避けられません。円滑にコミュニケーションを取るためにも、コミュニケーションに関するルールをあらかじめ設けておきましょう。

たとえば、ミーティングを実施する頻度や報告のタイミング、使用するツールなどを明確にしておくことで、スムーズに意思疎通が図れるようになります。結果的に、誤解や認識のズレを防ぎ、プロジェクトのスムーズな進行が可能です。

費用

オフショア開発で管理すべき事柄としては、費用も重要です。主な費用としては、人件費やツールの利用料金などが挙げられます。発生しているコストを定期的に確認し、予算を超えないよう管理しましょう。必要に応じて調整を行うことで、費用の超過を未然に防げます。

人員配置

オフショア開発を成功させるためには、適切な人員配置が欠かせません。メンバーのスキルや経験を見極め、プロジェクトに最適な役割を割り当てることで、効率的な作業が期待できます。また、プロジェクトの進行状況や適正に応じて再配置を行い、柔軟に対応する意識も大切です。

オフショア開発のメリット

オフショア開発のメリットは、人材を確保しやすい点です。海外の優秀なIT人材を活用できるため、人材不足の解消に役立ちます。技術力が高いエンジニアが多くいる地域を選ぶことで、高品質な開発が期待できます。また、人件費の低い国に業務を委託をすれば、開発にかかる費用を大幅に抑えられるでしょう。

オフショア開発のデメリット

オフショア開発のデメリットは、言語や文化の違いによってコミュニケーションが難しくなる点です。認識の違いによる誤解や指示の伝達ミスが発生しやすいため注意しましょう。また、リアルタイムでの確認が難しいため、プロジェクトのなかで思わぬ問題が発生しやすい点もデメリットです。品質に影響が出るリスクがある点を考慮しておきましょう。

オフショア開発を進める流れ

ここでは、オフショア開発を進める流れについて解説します。

目的の設定

オフショア開発を進める際には、まずは開発を行う目的を設定します。何を開発するのかを定めることで、プロジェクトの方向性が明確になるでしょう。その後、設定した目的を実現するため、システムの要件や仕様を定義します。

相手先の選定と契約

要件を定義したら、オフショア開発を依頼する国と企業を決めます。業務の要件や目的に合った候補先を複数ピックアップし、コストや技術力、実績などを比較検討して、最適な依頼先を選定しましょう。依頼先の企業が決定したら、契約に向けて準備を進めます。

開発の実施

契約が締結できたら、実際に開発を進めていきます。プロジェクトの進行中は、定期的にミーティングを設けて進捗状況を確認し、必要な修正や改善を行いましょう。現地エンジニアとの良好な関係を維持するため、密なコミュニケーションを取ることが大切です。

オフショア開発の管理をする際のポイント

ここでは、オフショア開発で管理する際のポイントを解説します。

委託先の国について理解する

オフショア開発の管理をする際のポイントの1つは、委託先の国について理解することです。トラブルや認識のズレを極力減らし、円滑に開発を進めたいなら、委託先の国の文化や国民性について理解する意識が欠かせません。どのような価値観を持って仕事をしているのかなどを把握しておくことで、管理がしやすくなるでしょう。何よりも、互いのことを尊重してマネジメントする配慮が重要です。

適切なルールを設ける

オフショア開発の管理をする際のポイントの1つは、ルールを適切に設けることです。開発を進めるうえで支障がないよう、さまざまな事柄にルールを設定しましょう。国や文化が異なるため「こうしてほしかった」などの期待は伝わらないことが多いです。現地のエンジニアもはっきりわかるよう、業務を進めるうえで必要なルールを細かく整備してください。

十分にコミュニケーションを取る

オフショア開発の大きな課題としては、コミュニケーションが取りにくい点が挙げられます。そのため、コミュニケーションについてはさまざまな工夫が必要です。おすすめの手法は、進捗管理ツールやコミュニケーションツールの活用です、そのうえで、定めたルールに従って定期的にコミュニケーションを取りましょう。また、メンバーにコミュニケーションを推進するよう説明する取り組みも大切です。

オフショア開発におすすめの国

ここでは、オフショア開発におすすめの国について解説します。

ベトナム

ベトナムは近年オフショア開発先として人気が高まっている国です。親日派が多く、日本文化や日本企業への理解があることから、スムーズなコミュニケーションが期待できます。また、人件費が安いため、コスト面でのメリットも大きく、手頃な予算で質の高い開発が可能です。

フィリピン

オフショア開発には、フィリピンもおすすめです。英語を公用語としているため、英語でのコミュニケーションが求められるプロジェクトに向いています。さらに、日本との時差がほとんどないため、リアルタイムでのやりとりがしやすく、進捗確認や会議のスケジュール調整がしやすい点もメリットです。

インド

インドはIT分野に強い人材が豊富な国であるため、高度な技術が必要なプロジェクトに向いています。ただし、時間にルーズであるなど仕事に対する感覚が日本と異なるため、工夫しながらコミュニケーションを取る必要があります。また、物事をはっきり伝える意識が日本人より強い点も特徴です。

中国

中国はIT分野での技術力が高く、IT大国とも呼ばれています。そのため、最新の技術を駆使したプロジェクトに向いているでしょう。ただし、コスト面は他国に比べて高い傾向があります。コストも考慮したうえで、高い技術力を求める場合におすすめです。

バングラデシュ

バングラデシュは親日的な国であり、コストメリットも期待できるオフショア先です。英語力が高い人材が多く、スムーズなコミュニケーションが可能な点も魅力的です。国策としてIT分野の教育が進んでおり、質の高いエンジニアが増えつつあります。

ミャンマー

ミャンマーは、日本語に堪能な人材が多いため、比較的スムーズなやりとりを実現できる国です。勤勉な国民性であるため、真面目にプロジェクトに取り組んでくれるでしょう。ただし、ミャンマーは政治的情勢が不安定な国でもあるため、選定する際は注意が必要です。

オフショア先の選び方

オフショア先を選ぶ際には、日本語で円滑にやりとりができるかを確認しましょう。また、言葉の壁があったとしてもスムーズに意思疎通が図れる企業を選ぶことが大切です。その結果、誤解を防ぎ、プロジェクトを円滑に進行させられます。

開発したいシステムに関する実績があるかどうかも重要な観点です。過去のプロジェクト事例などもリサーチしつつ、実績が豊富な企業を選定しましょう。

まとめ

オフショア開発は、他国に業務を委託する手法であるため、国内での開発よりも細かく管理をしなければなりません。現地のエンジニアと円滑にコミュニケーションを取るためにも、事前準備を入念に行いつつ、定期的にチェックを入れましょう。

オフショアによるシステム開発と並行して自社のITインフラを整備したいなら、ぜひアイエスエフネットにご相談ください。

アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスは、ITインフラエンジニアサービス専門としては国内最大級であり、派遣するエンジニアの多くを正社員で雇用している点が特徴です。状況にあわせて柔軟に対応しているため、いつでもお問い合わせください。

アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスの問い合わせはこちら

アイエスエフネットがIT担当者の課題を解決！

​​​​​​​