ITエンジニアリングとは?主な種類や注目される理由、人材獲得のコツなどを解説
「エンジニアリング」という言葉を目にしたり、耳にしたりする機会は多いでしょう。なかでもITエンジニアリングには多くの注目が集まっていますが、そもそも「エンジニアリング」とはどのような意味の言葉なのでしょうか。本記事では、エンジニアリングという言葉の定義や、ITエンジニアリングとはどのようなものなのか解説します。
目次[非表示]
- 1.そもそも「エンジニアリング」とは?
- 2.ITエンジニアリングとは?
- 3.エンジニアリングの主な種類
- 3.1.機械エンジニアリング
- 3.2.プラントエンジニアリング
- 3.3.化学エンジニアリング
- 3.4.電気電子エンジニアリング
- 3.5.シビルエンジニアリング
- 3.6.レコーディングエンジニアリング
- 4.ITエンジニアリングが注目される理由
- 4.1.生活の利便性が高まる
- 4.2.作業効率や業務効率が高まる
- 4.3.「時間」や「場所」の制限がなくなる
- 5.ITエンジニアリングの主な種類
- 5.1.システムエンジニアリング
- 5.2.ネットワークエンジニアリング
- 5.3.サーバーエンジニアリング
- 5.4.ITインフラエンジニアリング
- 5.5.データベースエンジニアリング
- 5.6.Webエンジニアリング
- 5.7.エンベデッドエンジニアリング
- 5.8.AIエンジニアリング
- 6.ITエンジニアリングの今後
- 6.1.エンジニアの不足
- 6.2.必要な人材に変化が生じる
- 7.ITエンジニアを採用する際のポイント
- 7.1.求める人材を明確化する
- 7.2.他社との差別化ポイントを認識する
- 7.3.現場と協力する
- 8.まとめ
そもそも「エンジニアリング」とは?
エンジニアリング(Engineering)はもともと「工学」を意味する言葉です。しかし、日本では科学や機械、電気やITなど幅広い領域で使用されています。このような広義のエンジニアリングは、人々の生活を快適にしたり、仕事場での作業効率を高めたりすることを目的に、生産物をつくる計画・設計・製造・検査などを行うための技術を指します。
エンジニアリングから生み出されたもの
日本では「エンジニアリング」が幅広い領域で取り入れられているため、エンジニアリングによって生み出されるものは、工学分野での人工物に限りません。家電や情報機器、交通・通信のインフラなど、エンジニアリングの産物はさまざまな種類があります。
ITエンジニアリングとは?
ITエンジニアリングとは、情報技術に関するエンジニアリングです。システムやプログラムを設計・開発し、顧客のニーズに合わせてビジネスの効率化やコスト削減を図ります。
たとえば、AIによる自動運転や、5Gを利用したスマートフォンなどはITエンジニアリングの産物です。ITエンジニアリングはビジネスにおいて重要な役割を持つため、エンジニアリングのなかでもとくに注目度が高まっています。
エンジニアリングの主な種類
エンジニアリングには、ITエンジニアリング以外にもさまざまな種類があります。
機械エンジニアリング
機械エンジニアリングとは、機械設備に関するエンジニアリングです。産業用ロボットから宇宙開発に使われるものまで、幅広い機械設備の製品開発に使われます。そのため、製品によって求められる専門性が大きく異なります。
プラントエンジニアリング
プラントエンジニアリングとは、プラント(工場設備)に関するエンジニアリングです。石油や発電、環境施設の工場の設備における企画や設計、建設現場の工程管理などに活用されます。
化学エンジニアリング
化学エンジニアリングはプラントエンジニアリングの1つで、医薬品や化学などの工場設備に関するエンジニアリングのことです。化学技術を用いて、工場の設計・運営を支援します。また、新素材やエネルギー開発の研究開発も化学エンジニアリングに含まれます。
電気電子エンジニアリング
電気電子エンジニアリングは、電子技術を使った製品の設計・開発に関わる技術です。パソコンやスマートフォン、半導体の製造装置や医療用の精密機器などが該当します。
シビルエンジニアリング
シビルエンジニアリングは、道路や鉄道、水道などのインフラ設備に関わるエンジニアリングです。インフラの開発や整備、ダムの建造や品質管理などが該当し、その土地に合わせた街づくりや、災害への備えなども求められます。ほかのエンジニアリングと比べて、社会貢献の側面が強い点が特徴です。
レコーディングエンジニアリング
レコーディングエンジニアリングは、楽曲制作や録音などに関するエンジニアリングです。レコーディングエンジニアは楽曲の録音に携わり、シンセサイザーやミキサーなどの音響機械を使いこなして楽曲を調整する役割を担います。技術や知識だけでなく、感性が求められる分野です。
ITエンジニアリングが注目される理由
ITエンジニアリングが注目される背景には、次のような理由があります。
生活の利便性が高まる
情報技術は私たちの生活をより豊かに、便利にしてくれます。ITエンジニアリングによって情報技術の活用がさらに進めば、生活の利便性も向上すると考えられるでしょう。実際に、情報通信技術を活用したビジネスやサービスは急速に増加しており、需要が高まっています。
作業効率や業務効率が高まる
情報通信技術を生かした便利なシステムを活用すれば、これまでアナログで行っていた作業をデジタルに移行できます。すると、作業や業務の効率が高まり、ヒューマンエラーも防ぎやすくなるでしょう。企業側は人件費を抑えられ、労働者側はプライベートな時間を確保しやすくなるなど、労使双方にメリットをもたらします。
「時間」や「場所」の制限がなくなる
情報通信技術は、メールやチャット、テレビ通話などの新たなコミュニケーション方法を実現してきました。これらの技術を活用すれば、「会話をする」「一緒に働く」など、他者とコミュニケーションをとる際、時間や場所に囚われる必要がありません。さらなる活用が進めば、働き方や出会いの可能性の幅はより一層広がるでしょう。
ITエンジニアリングの主な種類
ITエンジニアリングを細分化すると次の8種類に分けられます。
システムエンジニアリング
システムの設計・開発・検証に使われる技術です。システムエンジニアには、システム開発の上流工程を中心に、システムを検証するためのスキルも必要とされます。なお、上流工程を担当する人材を指して「システムエンジニア」と呼ぶこともあります。
ネットワークエンジニアリング
ネットワーク機器の設置、運用・保守などに関わる技術です。ネットワークエンジニアには、セキュリティ対策に関する知識も求められます。
サーバーエンジニアリング
サーバーの設計・構築や運用などに用いられる技術です。具体的には、データベースサーバーやDNSサーバーなどを扱います。近年はサーバーレスサービスの普及が進んでおり、サーバーエンジニアにはそれらに関する知識も求められます。
ITインフラエンジニアリング
通信基盤の設計・構築や運用などに使われる技術です。なお、ネットワークエンジニアリングやサーバーエンジニアリングをまとめて「ITインフラエンジニアリング」と呼ぶこともあります。
そのため、ITインフラエンジニアリングには、サーバーやネットワークのセキュリティ対策など幅広い知識が必要とされます。ITインフラはITサービスを提供・活用する基盤となるもので、日常生活における水道やガスなどと同じように欠かせない存在です。
データベースエンジニアリング
データベースの構築・運用などに使われる技術です。信頼性の高いデータベースを構築したり、ニーズに合わせたデータベースを活用したりして、ビジネスの推進に貢献します。
Webエンジニアリング
Webサイトに関わる技術です。具体的な業務内容としては企業のコーポレートサイトやECサイトの設計・構築や運用・保守などが該当し、フロントエンドとバックエンドに分けられます。
エンベデッドエンジニアリング
エンベデッドエンジニアリングは、組み込みシステムの設計・開発に用いられます。組み込みシステムとは、パソコンやスマートフォンなどの電子機器や、テレビや洗濯機などの家電を制御するシステムです。ハードウェアとソフトウェア、両方の知識を求められます。
AIエンジニアリング
AIの開発や運用・保守に関わる技術です。AIに経験や知識を学習させ、人間が求める答えを導き出すシステムを構築します。
ITエンジニアリングの今後
ここからは、ITエンジニアリングの今後について解説します。
エンジニアの不足
ITエンジニアの数は不足しており、需要に供給が追いついていない状態です。経済産業省によると、2030年には最大79万人の人材が不足すると試算されています。IT人材の獲得に苦戦している企業は多く、今後の課題となるでしょう。
必要な人材に変化が生じる
時代の変化に伴い、ITエンジニアリングに必要な人材にも変化が生じつつあります。
たとえば、クラウドサービスの普及にともない、ITインフラエンジニアにはクラウドに関する知識も求められるようになりました。また、IT人材は不足傾向にありますが、今後は従来型のIT人材はむしろ過剰になる恐れがあり、IoTやAIなどの最先端の技術や知識を持った「先端IT人材」の需要が増加するとされています。
従来、IT領域では1つの分野に特化した人材が求められてきましたが、これからは横断的な知識やスキルを持つ人材が必要とされます。加えて、技術や知識などのハードスキルだけでなく、コミュニケーションスキルも重視する必要があるでしょう。
ITエンジニアを採用する際のポイント
ITエンジニアは需要に供給が追いつかない状況が続いており、ITエンジニアリングを担う人材の採用には多くの企業が苦戦しています。ここからは、ITエンジニアの採用を成功させるためのポイントを解説します。
求める人材を明確化する
まずは、求める人物像を明確化するところから始めましょう。現場にヒアリングを実施し、求めるスキルや役割を明らかにすることも重要です。
また、スキルや経歴といった求人票に記載する内容だけでなく、年齢や趣味、価値観なども合わせてペルソナを設定します。その際「自社で採用できる人材か」という現実的な視点を持つことも大切です。
他社との差別化ポイントを認識する
人材の獲得競争に勝つためには、IT人材の採用は難しいことを認識したうえで、自社がなにを武器とできるのかを考える必要があります。自社と競合他社への理解を深めて、自社の特徴や差別化のポイントなどを認識し、採用計画に生かしましょう。
現場と協力する
エンジニアの採用では、採用部門と現場のIT部門が協力することが大切です。双方の意向や認識がずれていると、採用のミスマッチが起こりやすくなります。情報共有や意見交換を十分に行い、擦り合わせを行いましょう。
現場で働くエンジニアは通常業務もこなす必要があるため、採用に携わるメリットを伝え、理解を得ることも重要です。
まとめ
エンジニアリングとは、生活の快適化や仕事の効率化につながる生産物を生み出すための技術です。エンジニアリングにはさまざまな種類がありますが、なかでも情報技術に関するITエンジニアリングには大きな注目が集まっています。
ITエンジニアリングを担う人材は、需要に供給が追いついていない状況であり、多くの企業が人材確保に頭を悩ませています。
もし、ITインフラの人材確保にお悩みなら、アイエスエフネットのITインフラエンジニア派遣サービスをご活用ください。
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