ITエンジニアリング業務をアウトソーシングするメリット|種類や導入手順も解説
昨今、ITエンジニアリングの重要性は、さまざまな業界で高まっています。しかし、IT人材は不足傾向にあり、自社での人材確保に苦戦する企業は多いでしょう。そのようなときは、アウトソーシングの活用がおすすめです。本記事では、ITエンジニアをアウトソーシングするメリットや外注先の選び方などを解説します。
目次[非表示]
- 1.エンジニアリングとアウトソーシングとは?
- 1.1.エンジニアリングとは?
- 1.2.アウトソーシングとは?
- 2.ITエンジニアリング業務のアウトソーシングが注目される背景
- 2.1.人手不足への対策
- 2.2.進化するIT技術への対応
- 3.ITエンジニアリング業務をアウトソーシングするメリット
- 3.1.人件費の削減につながる
- 3.2.業務効率や品質が向上する
- 3.3.必要な人材をスピーディに確保できる
- 4.ITエンジニアリング業務をアウトソーシングするデメリット
- 4.1.進捗管理や情報共有が難しい
- 4.2.情報漏洩のリスクが高まる
- 4.3.社内にノウハウが蓄積されない
- 5.アウトソーシングの主な種類
- 5.1.システムインテグレーション
- 5.2.BPO
- 5.3.クラウドソーシング
- 5.4.エンジニア派遣
- 6.ITエンジニアリング業務をアウトソーシングするべきケース
- 6.1.一定期間のみエンジニアを活用したい
- 6.2.最新の技術を活用したい
- 6.3.アウトソーシングの種類を検討する
- 6.4.導入目的を明確化する
- 6.5.アウトソーシング先を選定する
- 6.6.契約する
- 7.エンジニア派遣と業務委託はどちらがおすすめ?
- 7.1.エンジニア派遣が向いている場合
- 7.2.業務委託が向いている場合
- 8.アウトソーシング先を選ぶ際のチェックポイント
- 8.1.これまでの実績
- 8.2.サポート範囲
- 8.3.コミュニケーションスキル
- 9.まとめ
エンジニアリングとアウトソーシングとは?
そもそも、エンジニアリングとアウトソーシングとはどのようなものを指すのでしょうか。まずは、それぞれの概要から解説します。
エンジニアリングとは?
エンジニアリング(Engineering)とは、日本語で「工学」という意味を持つ単語です。
しかし、日本では工学だけでなく科学や機械、電気やITなどより幅広い領域で用いられ、私達の生活を快適にしたり、仕事を効率化したりするための技術全般を指します。エンジニアリングにはさまざまな種類があり、そのうち情報技術に関するものが「ITエンジニアリング」です。
また、エンジニアリングの知識や技術を持ち、業務に従事する人のことを「エンジニア」と呼びます。
アウトソーシングとは?
アウトソーシングとは、業務の一部またはすべてを外部に委託することです。業務効率化を図ったり、コア業務に集中したりするために活用されることが多いでしょう。また、専門性の高い業務を委託するケースも増えており、IT業界ではアウトソーシングが活発に利用されています。
ITエンジニアリング業務のアウトソーシングが注目される背景
ITエンジニアリング業務のアウトソーシングに注目が集まる背景には、以下のような理由があります。
人手不足への対策
アウトソーシングの活用は、人手不足対策として有効な手段の1つです。日本では少子高齢化により、労働人口の減少が社会問題になっています。経済産業省の試算によると、2030年には最大79万人のIT人材が不足するとされています。
アウトソーシングを活用すれば、IT人材の採用が難しい企業でも高品質のシステムを利用・運用することが可能です。
進化するIT技術への対応
IT技術は、目まぐるしいスピードで進化しています。新しい技術を積極的に活用している企業もある一方、技術の急速な進化に追いつけていない企業も少なくありません。自社に専門性の高い人材がいなくても、アウトソーシングを活用すれば新しい技術を容易に導入できるでしょう。
ITエンジニアリング業務をアウトソーシングするメリット
ITエンジニアリング業務をアウトソーシングすると、以下のようなメリットを期待できます。
人件費の削減につながる
アウトソーシングを活用すれば、自社で採用する場合と比べて人件費を抑えやすくなります。
すでにスキルを身に付けた人材に任せられるため、教育・育成にかかるコストも低減されるでしょう。
業務効率や品質が向上する
知識や経験が豊富な人材に委託することで業務が効率化され、成果物の品質向上を期待できます。また、アウトソーシングの活用により自社の従業員がコア業務に集中できるようになれば、業務の生産性が高まるだけでなく、空いた時間をスキルアップに使うことも可能です。
必要な人材をスピーディに確保できる
必要なときに、必要な人材をスピーディに確保できる点もメリットです。アウトソーシングなら、顧客ニーズの変化にも柔軟に対応できます。また、専門性の高い人材に委託すれば、最新技術やサービスなどを事業に活用しやすくなるでしょう。
ITエンジニアリング業務をアウトソーシングするデメリット
ITエンジニアリング業務のアウトソーシングはメリットも多い一方、以下のようなデメリットも存在します。
進捗管理や情報共有が難しい
ITエンジニアリング業務を「業務委託」という形で外注する場合、業務の進め方はアウトソーシング先に委ねられます。業務工程について社内の人間が直接指示を出すことはできないため、業務管理が難しく、進捗を把握しにくいでしょう。また、情報共有もしにくいので認識の齟齬が生まれやすいというデメリットもあります。そのため、アウトソーシングを活用する場合は、定期的な情報共有と進捗確認が不可欠です。
情報漏洩のリスクが高まる
アウトソーシングを活用すると、重要な情報を社外に預ける場合もあります。その際、アウトソーシング先のセキュリティ体制によっては、情報漏洩のリスクが高まってしまいます。
流出した際のリスクが大きい情報を預ける場合は、実績があり信頼性の高い業者を選ぶことが大切です。
社内にノウハウが蓄積されない
社外の人材により業務が遂行されるため、業務のノウハウが蓄積されにくい点もデメリットです。アウトソーシング先に業務を任せきりにすると、契約終了後に社内での対応が難しくなることもあります。社内でも業務の全体像を把握し、アウトソーシング先と密にコミュニケーションをとることが大切です。
アウトソーシングの主な種類
ひとくちにアウトソーシングといっても、その種類はさまざまです。ここからは、アウトソーシングの代表的な種類を解説します。
システムインテグレーション
システムインテグレーションとは、顧客の課題や要望に応じて、システムの企画や開発、運用などを担う事業やサービスのことです。また、サービスを請け負う事業者のことをSIer(エスアイヤー)と呼びます。
BPO
BPOとは、Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の略称です。
業務の遂行だけでなく、企画や設計までのプロセスを委託でき、エンジニアリング体制を整えたい場合に適しています。
クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、サイトに登録している不特定多数のエンジニアに業務を発注できるサービスです。クラウドソーシングの最大のメリットは、人材を迅速に見つけやすい点です。ただし、サイト上のプロフィールから相手を見極める必要があり、品質の担保が難しいという側面もあります。
エンジニア派遣
そのほかのアウトソーシングでは業務委託契約を結びますが、エンジニア派遣の場合は派遣契約を結びます。
両者の大きな違いは、自社に指揮命令権があることです。ほかのサービスとは異なり、自社の管理下において、エンジニアの業務の進捗や品質をコントロールできます。
ITエンジニアリング業務をアウトソーシングするべきケース
ITエンジニアリング業務をアウトソーシングするべきケースは、主に以下の2つです。
一定期間のみエンジニアを活用したい
状況に応じて業務をピンポイントに発注できる点も、アウトソーシングの強みです。
短期間やプロジェクト単位での活用も可能なため、一定期間のみエンジニアを使用したい場合に適しています。
最新の技術を活用したい
アウトソーシングは、最新の技術や知識が求められるシステム開発にもおすすめです。時代に合った技術や知識を活用することで、事業の成長につながります。
アウトソーシングの導入ステップ
ここからは、アウトソーシングの導入ステップを解説します。
アウトソーシングの種類を検討する
まずは、どの種類のアウトソーシングに依頼するか検討しましょう。システムインテグレーションや派遣など、それぞれの特徴を理解したうえで自社に最適なサービスを選びます。
導入目的を明確化する
次に、アウトソーシングを活用する目的を明確化しましょう。品質向上やコストダウンなど、目的を明らかにすることでアウトソーシング先を選びやすくなります。
アウトソーシング先を選定する
ITアウトソーシングを請け負う事業者は数多く存在します。はじめから1つに絞り込むのではなく、まずは複数の事業者をピックアップして、見積もりや提案を出してもらうとよいでしょう。それぞれのプレゼン内容を精査し、自社の要件に合う事業者を選定します。
契約する
依頼するアウトソーシング先が決まったら、契約を結びます。トラブルを未然に防ぐためにも契約書の内容はきちんとチェックしておきましょう。
エンジニア派遣と業務委託はどちらがおすすめ?
アウトソーシングの種類はさまざまありますが、契約形態としては「派遣」と「業務委託」の2つに大別できます。ここからは、それぞれの契約形態に向いているケースを紹介します。
エンジニア派遣が向いている場合
エンジニア派遣は業務委託とは異なり、発注者側に指揮命令権がある点が特徴です。エンジニアに直接指示を出せるため、ルール変更やイレギュラーが多いプロジェクトに適しています。
ただし、人材派遣には、同じ派遣スタッフを同じ事業所の同じ部署で3年を超えて働かせることはできないという「3年ルール」があるため、長く働いてもらいたい場合は注意が必要です。
業務委託が向いている場合
業務委託はエンジニアに対する指揮命令権はありませんが、その分、指示をする手間は省けます。そのため、社内にエンジニアに指示を出せる人材がいない場合は、業務委託が適しているといえるでしょう。ただし、一般的に、業務委託は人材派遣と比べてコストがかかりやすいので、注意が必要です。
アウトソーシング先を選ぶ際のチェックポイント
ITエンジニアリング業務のアウトソーシング先を選ぶ際は、次のポイントを確認しましょう。
これまでの実績
アウトソーシング先を選定する際は、委託したい業務に関する実績の有無を確認します。実績豊富な相手であれば、業務を安心して委託できます。過去にどのような業務を手がけ、どのような実績を残しているのか、必ずチェックしてから依頼しましょう。
サポート範囲
実際のサポート範囲や内容は、アウトソーシング先によって異なります。契約終了後のサポートの有無や、修正対応の可否、料金などは依頼前に明確にしておきましょう。
コミュニケーションスキル
アウトソーシングでは進捗管理や情報共有が課題になることが多いため、委託するエンジニアのコミュニケーションスキルなどのソフトスキルも重視すべきです。相手とのコミュニケーションコストが高いと、そのために社内リソースを割かれることで、アウトソーシングのメリットを享受しづらくなってしまいます。
まとめ
ITエンジニアリング業務をアウトソーシングすると、人件費の削減や業務効率・品質の向上などのメリットを期待できます。アウトソーシングにはさまざまな種類があるため、それぞれの特徴を把握したうえで自社に適したサービスを選ぶことが大切です。IT人材の不足にお悩みなら、アウトソーシングを効果的に活用しましょう。
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