SES(システムエンジニアリングサービス)とは?活用するメリットを解説
システム開発に関するリソースが足りない場合には、SES(システムエンジニアリングサービス)の活用が有効です。当記事では、SESの概要や活用するメリットなどについて解説します。SESについて詳しく知りたい人は参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.SES(システムエンジニアリングサービス)とは
- 2.SESの業務内容
- 3.SESを活用するメリット
- 3.1.条件にあわせて人材を確保できる
- 3.2.コストを抑えられる
- 4.SESを活用するデメリット
- 4.1.成果に対する責任を問えない
- 4.2.プロジェクトが順調に進まないことがある
- 5.SESに必要なスキル
- 5.1.コミュニケーション能力
- 5.2.論理的思考力
- 5.3.ITに関する知識
- 6.SES契約を結ぶ際の注意点
- 6.1.偽装請負にならないようにする
- 6.2.契約書の内容に漏れがないようにする
- 7.まとめ
SES(システムエンジニアリングサービス)とは
SESとは、System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の略称です。SESに明確な定義はありませんが、主に「クライアントの依頼を受けて、ITエンジニアの技術力やスキルを提供するサービス」を指しています。
契約形態としては、準委任契約が用いられることが一般的です。近年はエンジニア不足が続いているため、年々需要が高まっています。
派遣契約との違い
派遣契約とは、システムエンジニアが派遣会社と雇用関係にありつつ、指揮命令権がクライアント企業にある契約です。
派遣契約では指揮命令権がクライアント企業にあるため、現場に作業者が2人以上おり、かつ、労働者の管理ができている必要があります。派遣契約を結ぶためには、派遣会社が派遣事業の許可を持っている必要がある点が、SESに用いられる準委任契約との違いです。
請負契約との違い
請負契約とは、成果物の納品によって業務が完了する業務委託契約のことです。請負契約では、納品された成果物に対して報酬を支払います。この点が、委託された業務の履行に対して報酬が支払われる準委任契約との違いです。専門性の高い業務を必要とする場合や業務の効率化を図りたい場合に契約が結ばれます。
委任契約との違い
委任契約は、受託者が法律行為を遂行することに対して報酬が支払われる契約のことです。業務の結果に関わらず報酬を受け取る点が特徴であり、この点は準委任契約と共通しています。法律行為が行われるか否かが準委任契約との違いです。代表的な例としては、税理士への税務相談などが挙げられます。
SIerとの違い
SESは技術者を提供するサービスであるのに対し、SIerはシステムの開発や運用を受託するサービスを展開する企業を指しています。活用される目的や役割が異なり、SESは準委任契約を、SIerは請負契約を結びます。
SESの業務内容
ここでは、SESの業務内容について解説します。
要件定義
システムに入れ込みたい機能などの要件を定義する作業を要件定義と呼びます。
要件定義ではプロジェクト全体の方向性を決定するため、力の入れ具合が成功するか否かを握る鍵となるでしょう。SESが要件定義に関わるケースは少ないですが、案件によっては参加することもあります。
設計・開発・テスト
設計段階では、要件定義で決まった内容をどのように実装するかを決めます。実装時には、システム設計で決まった内容に基づき、システムの開発やテストを行います。SESが受注するのは、開発やテストなどの下流工程が多い傾向です。
運用・保守
保守・運用では、完成したシステムを運用し、トラブルなどに対応します。この作業も、SESが担う役割です。運用・保守においては、システムの環境に異常がないかを日々監視し、万が一障害が発生した場合は原因箇所を特定します。
SESを活用するメリット
ここでは、SESを活用するメリットについて解説します。
条件にあわせて人材を確保できる
SESを活用するメリットは、条件に合わせて人材を確保できる点です。SESでは、プロジェクトに必要なスキルを持ったエンジニアを確保しやすい傾向にあります。即戦力が必要な場合にも対応可能である点が特徴です。結果的に、ミスマッチを防ぎ、効率的にスキルが高い人材を見つけられるでしょう。
コストを抑えられる
SESを活用するメリットは、コストを抑えられる点です。SESを活用すれば、スキルや経験を持った人材を確保できます。そのため、自社で育成をする必要がありません。ひいては、採用費や教育費など育成にかかるコストの削減につながるでしょう。
SESを活用するデメリット
ここでは、SESを活用するデメリットについて解説します。
成果に対する責任を問えない
SESを活用するデメリットは、成果に対する責任を問えない点です。SES契約では、業務の履行に対して報酬が支払われる準委任契約を結ぶため、仮に成果が出なくても責任は問えません。成果物に満足できなくても、契約通りの報酬を支払う必要があります。成果物を求める際には、請負契約など異なる契約を結ぶことも検討するとよいでしょう。
プロジェクトが順調に進まないことがある
SESを活用するデメリットは、プロジェクトが順調に進まないことがある点です。高い技術力のあるエンジニアを採用しても、さまざまな事情によってプロジェクトが遅延する恐れは十分にあります。プロジェクトが遅延した際に契約期間を延長すると、追加費用が発生してしまいます。その場合は結果的に、プロジェクトが赤字になる可能性が出てくるでしょう。
SESに必要なスキル
ここでは、SESに必要なスキルについて解説します。
コミュニケーション能力
SESに必要なスキルは、コミュニケーション能力です。SESでは客先常駐の案件が多いため、案件ごとに働く環境が変わります。働く環境が変わったとしても、滞りなく業務を進めるためにコミュニケーション能力は重要といえるでしょう。また、求められている要件を理解する力や必要な情報を相手に理解してもらう力が求められます。
論理的思考力
SESには、論理的思考力が必要です。論理的思考力とは、矛盾なく物事を考える力や相手に対してしっかりと説明する力などを指します。クライアントの要望を聞きつつ、要望に応える適切なアプローチを検討する際などに論理的思考力が求められます。
ITに関する知識
SESには、IT分野に関する知識が求められます。IT分野に関する知識の具体例としては、プログラミングスキルや設計スキル、要件定義スキル、テストスキルなど挙げられます。どのような仕事を行うかによっても変わりますが、特にプログラミングの知識が重要です。
SES契約を結ぶ際の注意点
ここでは、SES契約を結ぶ際の注意点について解説します。
偽装請負にならないようにする
SES契約を結ぶ際の注意点は、偽装請負にならないようにすることです。
たとえば、クライアントが直接SESエンジニアに指揮・命令をしていると偽装請負とみなされます。偽装請負を防ぐためには、準委任契約の特徴と禁止事項を理解しておくことが重要です。
理解したうえで、直接指示を出さない、労働条件を指定しないなどの点に注意しましょう。
契約書の内容に漏れがないようにする
SES契約を結ぶ際の注意点は、契約書の内容に漏れがないようにすることです。偽装請負などのトラブルを起こさないためにも、契約内容をきちんと定めて書面にしておきましょう。
契約書に盛り込むべき内容は、以下のとおりです。
- 業務内容や業務の範囲
- 契約期間
- 報酬金額、支払い方法、支払い期間
- 知的財産権
- 禁止事項
- 秘密保持
- 契約解除に関すること
- 損害賠償に関すること
- 協議条項
まとめ
ITに関わるプロジェクトを立ち上げる際などには、SESの活用を検討してみるのも有効な選択肢です。活用するメリット・デメリットを押さえたうえで、活用可否を決めてみてはいかがでしょうか。
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