サービスデスクとは?ヘルプデスクとの違いやITILにおける位置づけまでまるっと解説!
企業にとって、ITシステムのトラブルが発生すると業務に支障をきたし、コストや時間をかけて対応する必要があります。
そこで、ITトラブルに迅速かつ適切に対応するために検討したいのが、サービスデスクの設置です。
「うちの会社はヘルプデスクを設置しているから大丈夫……
あれ?ヘルプデスクとサービスデスクって何が違うんだろう?」
「サービスデスクを設置するメリットってなに?」
という疑問を感じられた方のために、今回はサービスデスクの概要をはじめ、サービスデスクを設置するメリットや、情シス担当者が知っておきたいユーザー満足度の向上方法についても解説します。
サービスデスクを設置することで、トラブルの早期解決や業務効率の向上など、多くのメリットがあります。
本記事を読んで、サービスデスクの役割やメリットを理解し、効果的な運用方法を検討していきましょう。
目次[非表示]
- 1.サービスデスクとは?
- 1.1.サービスデスクの役割
- 1.2.サービスデスクが提供するサービスの種類
- 1.3.ITILにおけるサービスデスクの位置づけ
- 1.4.サービスデスク運用の仕組み
- 1.5.サービスデスクとヘルプデスクの違い
- 2.サービスデスクを設置するメリット
- 3.サービスデスクにおけるユーザー満足度の向上方法
- 4.サービスデスクの未来
- 5.まとめ
サービスデスクとは?
まず、サービスデスクの概要について解説します。
サービスデスクの役割
サービスデスクは、企業や組織がITサービスを提供する際における顧客対応の窓口であり、顧客からの問い合わせやトラブルの報告を受け、解決するためのサポートを提供する役割を担います。
顧客の問題を素早く、正確に解決することが求められるため、サービスデスクは24時間体制で運営される場合があります。
サービスデスクが提供するサービスの種類
サービスデスクが提供するサービスには、以下のようなものがあります。
- 問い合わせ対応サービス
- トラブルシューティングサービス
- リモートサポートサービス
- インシデント管理サービス
- 変更管理サービス
- 問題管理サービス
- コンフィグレーション管理サービス
これらのサービスは、企業や組織が提供するITサービスに応じて必要なものが提供されます。
ITILにおけるサービスデスクの位置づけ
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)は、ITサービスマネジメントのための国際的なフレームワークであり、ITサービスの設計、開発、運用、改善についてのベストプラクティスを提供します。
ITILでは、サービスデスクがITサービスマネジメントの中心的な機能の1つであると位置づけられています。
サービスデスクは、ユーザーサポートを提供し、ITサービスに関する問題や要望を受け付け、それらを解決するために適切なエスカレーションを行い、SLA(Service Level Agreement)に従った運用を実現するための役割を担っています。
ITILでは、サービスデスクが以下のプロセスにおいて中心的な役割を担っているとされています。
インシデント管理
インシデントの発生、カテゴリー分類、優先度の決定、解決策の提供、回復と復旧の確認を行います。
インシデントに関する情報を収集し、分析も行います。
問題管理
インシデントの根本原因を特定するために、問題管理が必要とされています。
問題を特定し、根本原因を特定し、解決策を提供することが求められています。
変更管理
変更の提出、評価、承認、実装、レビューを行います。
サービスの中断を最小限に抑えつつ、変更を実装するためにサービスデスクは、ユーザーとの調整を行います。
以上のように、ITILでは、サービスデスクがITサービスマネジメントにおいて不可欠な役割を担っていると考えられています。
サービスデスクによって、ユーザーの満足度向上や、企業内のITサービスの品質改善につながることが期待されているのです。
サービスデスク運用の仕組み
サービスデスクは、一般的には以下のような流れで運用されます。
1.問い合わせ受付
サービスデスクに対する問い合わせ(トラブル報告、要望、質問等)を受け付けます。
電話、メール、Webフォームなど、さまざまな方法で受け付けることができます。
2.問い合わせ情報の登録
問い合わせを受けたら、チケット(問い合わせ情報)を作成し、登録します。
チケットには、問い合わせ内容、問い合わせ者情報、優先度、担当者などの情報が含まれます。
3.チケットの分類・優先度設定
チケットを分類し、優先度を設定します。
分類は、種類や原因、影響度、対象システムなどによって行われます。
優先度は、重要度や緊急度などを考慮して設定されます。
4.チケットの担当者のアサイン
チケットを受け付けた担当者や、技術サポート担当者がアサインされ、チケットを処理することになります。
5.チケットの解決・クローズ
担当者は、チケットを解決し、クローズします。
その後、ユーザーに対して解決策や回答を提供します。
6.報告と分析
サービスデスクでは、定期的に運用状況の報告やチケットの分析を行い、改善点を洗い出します。
こうした取り組みによって、サービスデスクの品質を向上させることができます。
サービスデスクとヘルプデスクの違い
サービスデスクと混同されやすい仕事として、ヘルプデスクがあります。
これらは似たような役割を持っていますが、それぞれ独自の特徴があります。
一言で言うと、サービスデスクとヘルプデスクの違いは、範囲と深さにあります。
サービスデスクは、より広範囲で浅い範囲の問題に対応するための窓口であり
ヘルプデスクは、より深い技術的問題に対応するための窓口です。
サービスデスクは、ITサポートだけでなく、企業や組織が提供するすべてのサービスに関する問題や質問に対応するための窓口です。
サービスデスクはITサポートだけでなく、ビジネスプロセスの問題や施設管理、ユーザーアカウント管理など、広範囲に渡る業務に対応します。
つまりサービスデスクは、ヘルプデスクが対応できない、より複雑な問題に対応することができます。
一方ヘルプデスクは、主に技術的な問題に対応するための窓口で、コンピューターやソフトウェアに関するトラブル、ネットワークの問題、セキュリティに関する問題などに対応します。
ヘルプデスクはユーザーの問題に直接対応し、その問題を解決するために必要な
技術的な専門知識を持っている人に問題を割り当てます。
まとめると、サービスデスクは、ITサービスマネジメントにおける重要な役割を担っており、サービス品質の向上や改善に貢献しています。
一方、ヘルプデスクは、組織内で発生するトラブルに迅速かつ正確に対応することが求められます。
以上のことから、トラブルの解消とサービス品質向上の両方を実現するために
サービスデスクとヘルプデスク両方の設置が必要となります。
サービスデスクを設置するメリット
ここまでサービスデスクの概要について解説しました。
実際、サービスデスクを設置することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
サービスデスクを設置するメリットとしては、以下のようなものがあります。
顧客満足度の向上
サービスデスクが適切に設置されている場合、問題が発生したときにすばやく対応することができ
ユーザーの問題解決につながるため、ユーザー満足度を向上することができます。
業務効率の向上
サービスデスクを設置することで、問い合わせやトラブル対応に特化した専門スタッフが常に対応できるため、他の業務に集中することができます。
そのため、業務効率の向上につなげることができます。
セキュリティ対策の強化
サービスデスクは、ユーザーからの問い合わせを受け、情報システムやネットワークなどの問題を解決するための窓口として機能します。
セキュリティ上の問題についての情報共有や対応を行い、セキュリティ対策の強化につなげることができます。
サービスレベルの向上
サービスデスクを設置することで、サービスレベルを向上することができます。
ユーザーからの問い合わせやトラブルに対して迅速な対応を行うことで、サービスの品質を高め、ユーザーからの信頼を向上することができます。
問題の早期発見・解決
サービスデスクは、情報収集、問題解決、報告などの機能を備えています。
問題が発生した場合、迅速に解決できるため、業務の継続性を確保することができます。
また、問題を早期に発見し、対策を講じることで、より深刻な問題を未然に防ぐことができます。
以上のように、サービスデスクを設置することで、業務の効率化、セキュリティ対策の強化、サービスレベルの向上、顧客満足度の向上など、様々なメリットを得ることができます。
サービスデスクにおけるユーザー満足度の向上方法
サービスデスクの設置は企業にとって様々なメリットをもたらしますが、ただ設置するだけでは
ユーザーに満足してもらえるサービスの提供はできません。
この章では、情シス担当者には是非抑えていただきたい、サービスデスクにおけるユーザー満足度向上方法について解説します。
迅速かつ的確な対応を心がける
ユーザーからの問い合わせや要望に対して、適切な情報を迅速かつ正確に提供することが大切です。
問題を解決するまでの時間を最小限に抑え、的確な対応を行うことで、ユーザーの不満を軽減できます。
コミュニケーションを重視する
ユーザーとのコミュニケーションを大切にし、親身に対応することが重要です。
言葉遣いや話し方にも気を配り、顧客に安心感や信頼感を与えることで、ユーザーの満足度を向上させることができます。
プロセスを改善する
ユーザーからの問い合わせや要望に対応するためのプロセスを定め、常に改善を図ることで、ユーザーの満足度を高めることができます。
例えば、問い合わせの種類によって、担当者を適切に割り当てたり、問い合わせの履歴を共有することで、効率的かつ迅速な対応を実現できます。
情報の共有化を進める
ユーザーからの問い合わせに対応するために、ユーザー情報や過去の問い合わせ履歴を共有することが必要です。
チーム内での情報共有や、データベースの構築により、ユーザーの問題解決に迅速かつ正確に対応できます。
フィードバックを活用する
ユーザーからのフィードバックを積極的に取得し、サービスの改善に役立てることが重要です。
ユーザーからの声を収集する方法として、アンケートや定期的なフォローアップなどがあります。
得られた情報を分析し、改善に反映することで、ユーザー満足度を向上させることができます。
以上の方法を実施することが、ユーザー満足度の向上につながるでしょう。
サービスデスクの未来
今後サービスデスクは、自動化技術やAI技術の発展によって、より高度なサポートが提供されることが期待されています。
たとえば、自動応答メールやFAQ、チャットボットなどの自動化技術により、一部の作業が自動化されることで、人的ミスの減少や迅速な対応が可能となります。
また、AI技術を利用することで自動的に問題を分類したり、問題解決のための情報を提供することが可能になり、さらに自動的に顧客の声を収集しそのデータを解析することで、改善点を把握しより良いサービスを提供することが可能となります。
また、IoT技術を活用したサービスデスクも登場することが予想されます。
IoTデバイスから収集される情報を解析することで、障害の早期発見や予防措置の提案が可能になります。
技術の進歩によって、サービスデスクのオペレーションは完全に自動化されてしまうのでしょうか?
答えは「NO」です。
サービスデスクのオペレーションはユーザーに満足してもらうために、人間のサポートが必要となることがあります。
そのため、人間と機械のバランスを取りながら、より効率的かつ高度なサポートを提供することが求められるでしょう。
まとめ
今回は、サービスデスクの概要や設置するメリットについて解説しました。
サービスデスクは、ITサービスマネジメントにおける重要な役割を担っており、サービス品質の向上や改善に貢献します。
今後、サービスデスクをうまく活用したいという企業は、自社の現状や課題を洗い出し、サービスデスクの導入や改善について具体的に検討してみましょう。
しかし、サービスデスクの導入や運用には、人員やシステム、コストなど様々な課題があります。
そのため、アウトソーシングによる導入や運用を検討する企業も多くあります。
自社でのサービスデスクの導入が難しい場合は、アウトソーシングを検討することで、効率的かつスムーズな運用を実現することができます。
もし、サービスデスクの導入を検討されているものの、何から手を付けて良いか分からないという方は、お気軽にアイエスエフネットまでご相談ください。
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