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LPICとは!?情シスメンバーが取得するメリットと試験攻略法について解説

「LPICってどんな資格なんだろう?」
「情報システム部門のメンバーが取得しておく必要はあるの?」

こんな疑問を持ったことはありませんか?

LPICとは、Linuxの技術者であることが認定される資格です。
LPICを取得することで、Linuxの知識と技術を持っていることを証明することができます。

今回は、LPICについて情報システム部門メンバーが取得するメリットと、資格の概要、試験の攻略法を解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.LPICとは?
  2. 2.情報システム部門メンバーが取得するメリット
  3. 3.LPICの試験概要
  4. 4.試験範囲
  5. 5.試験の難易度
  6. 6.資格取得に向けた勉強時間の目安
  7. 7.資格対策のおススメ本
  8. 8.まとめ


LPICとは?

まず、LPICとはLinux Professional Institute Certificationの頭文字を取った略称で、和訳するとLinux技術者認定試験です。
そもそもLinux(リナックス)とは世界中で広く普及しているOS、つまりパソコンやスマートフォンなどを動かすのに必要なソフトウェアの一種です。
LPICは文字通り、そんなLinuxOSについての知識と技術を持っていることを認定する資格です。

LPICは世界共通のIT資格なため、海外で働く場合も資格を持ってさえいればLinuxの技術者であることを証明できます。
そのため、エンジニアがキャリアアップを目指す上で、よく選ばれる人気資格の1つです。


情報システム部門メンバーが取得するメリット

では、情報システム部門のメンバーがLPICを取得する利点はなんでしょうか?
それは、LPICを取得していることで、LinuxOSを扱えるという技術の証明になるだけでなく、LinuxOSつにての知識が一通り身につく点が挙げられます。

Linuxは、無償で利用できるという理由から、ITエンジニアの世界では主要なOSのひとつとなっており、大手企業がビジネスの中心に位置づけるOSにもなっています。
LPI(※)によれば日本企業の約7割でLinuxOSが導入されており、インターネットサーバーのOSのうち、50%以上がLinuxと高いシェアを誇っています。
(※)LPI:オープンソースの専門家向けのグローバルな認定基準およびキャリアサポート組織

そのため、Linuxに関連する仕事は社内でも多く存在します。
たとえば、オフィスでLinuxに関連するトラブルが発生した際に、LinuxOSに精通しているメンバーがいない場合、専門のIT業者に入ってもらってトラブルを解消する必要があります。
しかしながら、情報システム部門のメンバーにLinuxOSに詳しい方がいることで、コストも時間もかからず対応することが可能になります。

情報システム部門メンバーはさまざまな知識が必要ですが、ITインフラに関わる知識は必ず身に着ける必要があります。
LinuxOSは会社の基盤となるようなシステムでの採用も多いため、Linuxの知識とスキルは、情報システム部門のメンバーであれば基本として押さえておく必要があると言えるでしょう。

社内の既存システムにLinuxOSが活用されていない会社だとしても、近年のIoT機器の普及によって、無料であるLinuxはますますシェアが伸びております。
そのため今後Linuxを扱うための知識を求められるシーンが増えてくることは想像に難しくないため、LPICは情報システム部門メンバーであれば全員が取得していることが望ましい資格のひとつでしょう。

LPICの試験概要

・3つのレベル
LPICの試験のレベルは、難易度に応じてレベル1からレベル3までの3段階あります。
レベル1とレベル2には、それぞれ2種類の試験が用意されており、その2つに合格することで資格が認定となります。

レベル3に関しては、他のレベルと少し特殊な仕組みになっており、3つの分野に試験が分かれています。
それぞれが独立した資格となっているため、どれか1つに合格すれば、その分野のエキスパートであることが認定されます。

ただし、上位試験を受けるためには必ず下位の試験に受かっている必要がありますので、レベル3の取得を目指すときでもレベル1から順番に挑戦することとなります。

ここからは、それぞれのレベルについて詳しくみていきましょう。

・レベル1
レベル1ではLinuxについての基本操作とシステム管理についての知識や技術が問われます。
試験は101試験、102試験の2種類で、上述の通りこの2つに合格できればレベル1の資格が認定されます。
ただ、2つ同時に合格しなければならないというわけではなく、片方に合格してから5年以内にもう片方に合格できればレベル1認定となります。


・レベル2
レベル2ではLinuxに関する高度な知識が求められます。
管理運用の技術やサーバーの環境構築といった技術と、ネットワーク構築の導入や維持、トラブルシューティングについてのスキルがあるかが判定されます。

試験は201試験、202試験となっており、レベル1と同様に5年以内に両方合格できれば、レベル2認定となります。


・レベル3
レベル3の試験には300試験、303試験、304試験の3つがあります。
これらいずれかに合格できれば、その分野のエキスパート認定がされます。

試験名
試験内容
300試験  
Linuxを含めたさまざまなOSが混在する環境におけるシステム設計や構築、運用、保守
303試験
高度な技術を必要とするセキュリティーサーバーの設計や構築、運用、保守
304試験
クラウドコンピューティングシステムや仮想技術のスキルを始め、高可用性クラスターストレージにおける設計や構築、運用、保守


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試験範囲

試験の範囲は以下の通りです。詳しくは、LPI公式サイトで公開されています。

◆レベル1
 ▽101試験範囲
  1.システムアーキテクチャ
  2.Linuxのインストールとパッケージ管理
  3.GNUとUnixのコマンド
  4.デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム階層標準
 ▽102試験範囲
  1.シェル、スクリプト、およびデータ管理
  2.インターフェイスとデスクトップ
  3.管理タスク業務
  4.必須システムサービス
  5.ネットワーキングの基礎
  6.セキュリティ
 
◆レベル2
 ▽201試験範囲
  1.キャパシティプランニング
  2.Linuxカーネル
  3.システムの起動
  4.ファイルシステムとデバイス
  5.高度なストレージデバイスの管理
  6.ネットワーク構成
  7.システム・メンテナンス
 ▽202試験範囲
  1.ドメインネームサーバ
  2.ウェブサービス
  3.ファイル共有
  4.ネットワーククライアントの管理
  5.電子メールサービス
  6.システムのセキュリティ

◆レベル3
 ▽300試験範囲
  1.Sambaの基礎
  2.SambaおよびActiveDirectoryドメイン
  3.Samba共有設定
  4.Sambaクライアント構成
  5.LinuxID管理とファイル共有
 ▽303試験範囲
  1.暗号学
  2.アクセス制御
  3.アプリケーションのセキュリティ
  4.オペレーションセキュリティ
  5.ネットワークセキュリティー
  6.脅威と脆弱性の評価
 ▽305試験範囲
  1.完全仮想化
  2.コンテナ仮想化
  3.VMのデプロイメントとプロビジョニング
 ▽306試験範囲
  1.高可用性クラスタ管理
  2.高可用性クラスタストレージ
  3.高可用性分散ストレージ
  4.シングルノードハイアベイラビリティ

試験の難易度

レベル1はLinuxのインストール方法やシェル(OSを構成するソフトウェアの一つ)の扱い方など、基本的な知識を問われるため、比較的難易度は低くなっています。
経済産業省が定める「ITスキル標準(ITSS)※」では、エントリレベル(レベル1)に指定されており、同じレベルの試験には、LinuC-1(※)やITパスポート試験(※)などがあります。

※ITスキル標準:各種IT関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化した指標
 参照:TISSのキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップver11r2|スキル標準ユーザー協会
※LinuC:LPI-Japanが認定する日本独自のLinux技術者認定試験
※ITパスポート試験:ITに関する基礎的知識を証明する、経済産業省認定の国家試験

レベル2では、システム構築や保守、ファイルサーバーの作成、システムのセキュリティなど高度な内容が増えてくるため難易度は高くなります。
「ITスキル標準(ITSS)」では、エントリレベル(レベル2)に指定されており、同じレベルの試験には、LinuC-2やCCNA(※)などがあります。

※CCNAについて詳しくはこちら

レベル3になると専門別にSamba(※)を中心とした混合システムの構築、暗号化やセキュリティ、クラウドコンピューティングのような仮想化技術など専門的かつ高度な内容を問われるため、知識と実務経験が豊富な人でなければ合格は難しくなります。
「ITスキル標準(ITSS)」では、ミドルレベル(レベル3)に指定されており、同じレベルの試験には、Linuc-3やCCNP(※)などがあります。

※Samba(サンバ):Linux上でWindowsネットワーク機能を提供するソフトウェア
※CCNP:ネットワーク機器大手CISCO社の認定資格で、ネットワークエンジニアのプロフェッショナルレベルの資格

合格点に関しては、LPIの公式サイトのFAQ上では500点となっています(200点から800点の間でランク付け)。
しかし、試験問題によって難易度が異なるため、合格点の500点に達するために必要な正解数は、受験者が受験する試験の問題の組み合わせによって異なります。
※参照:LPI公式サイトFAQ

また、合格率は非公開となっているため不明ですが、毎年の受験者数と合格者数から全体の合格率は30%程度になると言われています。
ただし、レベル1は一番難易度が低いため合格率は50%を超えるとも言われています。

資格取得に向けた勉強時間の目安

合格に必要な勉強時間はそれぞれのキャリアや知識により異なるため、一概に定義することは難しいですが、目安の勉強時間をまとめました。

レベル
勉強時間の目安
レベル1  
200時間程度
レベル2
400時間程度
レベル3
700時間程度


レベル1の勉強時間の目安としては、IT未経験者の方では200時間程度となります。
基本的なITスキルがある方では100時間程度、日常的にLinuxOSを利用している経験者の方でも50時間程度の勉強が必要と言われております。


レベル2ではさらに難易度が上がり、レベル1の2倍以上の400時間程度、レベル3では3倍から4倍の勉強時間が必要になるでしょう。

資格対策のおススメ本

今回、LPICの試験勉強に利用する参考書として、最もメジャーである2冊を紹介します。
参考書を選ぶ上で、最新のバージョンに対応しているかは非常に重要なポイントです。
資格バージョンが古い参考書だと試験範囲が違ったり、昔の情報を学ぶことになってしまいます。ぜひ一度購入前に現在の最新情報をご確認ください。(2022年12月時点の最新はVersion5.0)

Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応
中島 能和(著)、濱野 賢一朗 (監修)
‎2019年4月8日発売

LPI-incの認定テキストであり、出題範囲を万遍なくかつわかりやすく解説されている、Amazonで一番売れている参考書です。
問題集を解きながら分かりづらいと思った点を調べる辞書的な活用もおすすめです。
レベル2や3対応のものも出版されています。



Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集 Version5.0対応
山本 道子 (著)、大竹 龍史 (著)
‎2019年9月11日発売

LPI-incの認定テキストとして出題範囲を万遍なく学べる問題集です。
こちらも先述の参考書と同様、レベル2や3対応のものも出版されています。

まとめ

今回、LPICとは、Linuxの知識と技術を持っていることを証明する資格であり、情報システム部門の業務では、LinuxOSを利用する場面が今後さらに増えていくと予測できるため、情報システム部門メンバーは取得を目指していくべき資格だと解説してきました。

LPICの試験としては
・難易度に応じてレベル1からレベル3までの3段階ある
・上位試験を受けるためには下位試験に受かっている必要がある
・公式には非公開なもののレベル1の合格率は50%程度と予想されている

というような特徴がありました。

Linuxは世界的にも普及しているOSなため、LinuxOSに知見やスキルがあるエンジニアはIT業界では重宝されます。
ぜひこの記事をもとにレベル1から勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

LinuxOSを扱うエンジニアの採用についてお困りごとがあれば、LPIC認定技術者が多く在籍するアイエスエフネットまでお気軽にご相談ください。


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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。


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田村 拓麻
新卒でアイエスエフネットに入社し、2年間の広報業務を経てデジタルマーケティング部に所属。好きな食べ物はいちご。

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