AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトとはどんな資格?試験概要や勉強方法について解説!
近年、クラウドシステムの急速な発達により、企業は従来のITインフラからクラウドベースのソリューションへの移行を加速させています。
この急速な変化のなかで、情報システム担当者はクラウド技術に関するスキルと知識を獲得することが不可欠です。
そのなかでも、AWS(Amazon Web Services)(※)はクラウドサービスのリーディングカンパニー(※)として圧倒的なシェアを持ち、2023年の第4四半期に発表されたクラウドインフラのシェア調査では、24%で2位のマイクロソフトを抑え31%ものシェアを誇っています。
この記事では、AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト資格(以下AWS-SAA)に焦点を当て、情シス担当者がこの資格を取得することの重要性やメリットについて、詳しく掘り下げていきます。
※AWS(Amazon Web Services):Amazonが提供しているWebサービスの総称
※リーディングカンパニー:その業界の先駆者として存在する企業を意味する語
目次[非表示]
- 1.AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトとは
- 2.AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト資格の概要
- 2.1.AWS-SAA試験の概要
- 2.2.AWS-SAA試験の学習内容
- 3.AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト資格の勉強方法
- 3.1.無料の勉強方法①:AWSスキルビルダー
- 3.2.無料の勉強方法②:CloudTech
- 3.3.有料の勉強方法①:Udemy
- 3.4.有料の勉強方法②:参考書などの書籍
- 4.AWS認定資格を取得するメリット
- 4.1.市場価値の向上
- 4.2.プロジェクト成功への貢献
- 4.3.キャリアの発展
- 4.4.業務効率の向上
- 4.5.専門知識の習得と最新技術への迅速な適応
- 5.さいごに
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトとは
AWS-SAAは、Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウドサービスに関するスキルと知識を証明するためのプログラムである「AWS認定資格」における、中級レベルの資格です。
AWS認定資格では、様々な技術分野に特化した資格を取得することができ、そのなかでもAWS-SAAは、クラウドアーキテクチャ(※)における基本的なスキルを検証する重要な資格制度です。
AWS認定資格は、Foundational(基礎)、Associate(アソシエイト)、Professional(プロフェッショナル)、Specialty(スペシャリティ)の4つの階層に分かれています。
Foundational(基礎) |
AWSの基本的なクラウドサービスや一般的なクラウドコンセプトに関する理解を検証します。
AWS Certified Cloud Practitioner - Foundational
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Associate(アソシエイト) |
より詳細なスキルが求められる以下の4つの資格が含まれます。
AWS Certified Solutions Architect(設計者向け) / Developer(運用担当者向け) / SysOps Administrator(開発者向け) / Data Engineer(データエンジニア向け) - Associatte
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Professional(プロフェッショナル) |
より高度なスキルと経験を要求される2つの資格が含まれます。
AWS Certified Solutions Architect / DevOps Engineer - Professional
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Specialty(スペシャリティ) |
特定の技術領域に特化した3つの資格が含まれます。
AWS Certified Advanced Networking / Machine Learning / Security - Specialty
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AWS-SAA以外のAWS認定資格について詳しく知りたい方はこちら!
※クラウドアーキテクチャ:さまざまなクラウドテクノロジーがどのように相互に接続され、クラウド・コンピューティング環境を構成しているかを示すもの
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト資格の概要
AWS-SAAは、AWSクラウド上でのアプリケーションおよびシステムの設計・構築に関するスキルを測定するものです。
この資格を持つことは、AWSクラウドでのソリューションアーキテクトとしての能力を証明し、クラウドプロジェクトの成功に寄与するものとなります。
AWS-SAA試験の概要
試験時間 |
130分以内 |
受験料金 |
20,000円(150USD) |
試験形式 |
4択問題・複数選択問題 |
受験場所 |
Pearson VUEテストセンターまたはオンラインでの監督付き試験 |
AWS-SAA試験の学習内容
コンピューティング |
AWSの主要なコンピューティングサービス(EC2、Lambda、Elastic Beanstalkなど)の基本的な理解と実践方法を学習します。 |
ストレージ |
S3、EBS、GlacierなどのAWSストレージサービスについて学びます。 |
セキュリティとコンプライアンス |
AWSが提供するデータベースサービス(RDS、DynamoDBなど)の概要と運用方法を理解します。 |
ネットワーキング |
VPC、Route 53、CloudFrontなどのAWSネットワーキングサービスの基本原則と設計方法について学びます。 |
セキュリティとコンプライアンス |
AWSが提供するデータベースサービス(RDS、DynamoDBなど)の概要と運用方法を理解します。 |
こう見ると、膨大な学習内容のように思えますが、実際の難易度はそれほど高くはありません。
クラウドやAWSにこれから取り組む人、もしくはあまり詳しくないという人でも、AWS公式サイトが提供している各種テキストや書籍などを利用して試験対策をすれば、十分に合格が可能です。
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト資格の勉強方法
AWS-SAAの勉強方法は、大きく分けて「無料の教材」と「有料の教材」の2つがあります。
ここでは、それぞれの勉強方法について2つずつご紹介します。
無料の勉強方法①:AWSスキルビルダー
AWSスキルビルダーとは、AWSの公式サイトが提供している学習リソースです。
こちらはサブスクリプションで月に定額を払ってオンラインで学習することもできますが、無料のコンテンツだけでも600以上のオンラインコースと学習プランが用意されています。
また、AWS認定資格の公式問題集なども無料で利用できるのでAWS-SAAに限らず、他のレベルの資格を取るうえでも有効な手段といえるでしょう。
無料の勉強方法②:CloudTech
CloudTechとは、日本最大級のオンラインAWS学習サービスです。
CloudTechもAWSスキルビルダーと同様に90日ごとに定額を支払うサブスクリプションシステムですが、無料でも受講できる内容は限られますが学習可能です。
無料のフリーコース会員では、軽いAWS-SAAの問題の他に38本の動画が用意されているので、まずはお試し感覚でフリーコース会員の動画を見てみると良いかもしれません。
有料の勉強方法①:Udemy
Udemyとは、ビジネスやITなどに関して学べるオンライン学習コースです。
Udemyでは講座ごとに料金が定められており、自分で学びたいものを選んで、自分のペースで学ぶことができます。(※ビジネスプランという企業向けの定額制プランもあります)
購入した動画は一度購入すると何度でも閲覧可能なので、他の勉強方法との両立がし易い事も特徴だと言えます。
有料の勉強方法②:参考書などの書籍
これまで、無料の方法と有料の方法どちらもオンラインでの勉強法を紹介いたしましたが、やはり参考書などの書籍で勉強するのも確実で効果的な手段の1つでしょう。
参考書の中には模擬問題集なども組み込まれたものもあるため、学んだことをそのままアウトプットする方法として効果的です。
また、ページをめくるという紙媒体特有の行為が記憶の定着に効果的だとも言われています。
AWS認定資格を取得するメリット
市場価値の向上
AWS-SAAを取得することで、クラウド技術のスペシャリストとしての市場価値が高まります。
それに伴い、AWS認定資格を有する人材は今後も高い市場価値があると考えられます。
プロジェクト成功への貢献
AWS-SAAを持つ人は、AWSの最適な方法に基づいてシステムやアプリケーションを構築するスキルを有する証明になります。
これにより、プロジェクトの計画から実装までのあらゆる段階で成功に貢献できます。
クラウドアーキテクト(※)としてのスキルを持つことで、システムの拡張性、セキュリティ、効率性の向上に寄与できます。
※クラウドアーキテクト:クラウドコンピューティング環境の設計および構築を担当する専門家です。
キャリアの発展
AWS認定資格は、キャリアの発展において非常に重要な役割を果たします。
AWS-SAAを取得した後は、より高度なAWS資格(プロフェッショナルレベルやスペシャリストレベル)に進むことができます。
加えて資格の階層的な構造は、深い技術理解と経験を積むことでより上位の資格を取得できるようになり、キャリアの幅を広げる手助けとなります。
AWSの専門家としての地位を築くことで、さらなるスキルの向上や新たな挑戦に取り組むことが可能になります。
業務効率の向上
AWS-SAAは、AWSのサービスやリソースを最適に活用するスキルを証明します。
取得することで、クラウドアーキテクトは効率的にシステムを構築し、ビジネスのニーズに合わせた柔軟なソリューションの提供が可能になるでしょう。
専門知識の習得と最新技術への迅速な適応
AWSの資格試験には最新のクラウド技術やその運用に関する問題が出題されます。
資格を受ける過程で旬のトピックやツールに触れ、業界動向の変化にも素早く適応する力が養われます。
これにより、情報感度が磨かれ、日常的な学習の習慣が定着するので、常に進化するクラウド環境においても、自身のスキルセットをアップデートし続けることができるでしょう。
さいごに
今回の記事では、AWS-SAAについて、AWS認定制度や資格の概要、取得のメリットについて詳しく解説しました。
AWS認定制度は、AWSが提供するクラウドサービスに関するスキルと知識を証明するプログラムであり、特にAWS-SAAはクラウドアーキテクチャにおける基本的なスキルを検証する重要な資格です。
資格取得のメリットとして、市場価値の向上、プロジェクト成功への寄与、キャリアの発展、業務の効率向上、専門知識の向上が挙げられます。
AWSの認定資格は階層構造に分かれ、さまざまなレベルのスキルを証明することが可能です。
また、最新のクラウド技術やベストプラクティスに関する問題が含まれており、試験を受けることで移り変わりの激しい業界の動向に対して、迅速に適応できる力が養われます。
AWS-SAAは、市場の需要も高く、自身の市場価値を高めるためにも最適な資格です。
ぜひこの記事をもとに、AWSソリューションアーキテクトとしてのスキル向上に向けて学習を始めてみてはいかがでしょうか。
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