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ネットワークスペシャリスト試験(ネスペ)の概要 |相対的な試験の難易度は?

『CCNPと応用情報を取ったけど次になに取ろうかなー』
なんて考えている方いらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方が取るべき資格として、候補のひとつになるのがネットワークスペシャリスト試験です。
ネットワークスペシャリスト(略称 ネスぺ)は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が管理監督している情報系国家資格のひとつであり、ネットワークやその他についての幅広い知識を求められるため、資格を取得していることでご自身のネットワーク知識を証明することが可能です。

しかしながら,,,,
『CCIEとかと比べてどちらの方が難しいのか、自身の市場価値を高めるんだっけ??』
と資格取得の優先順位について悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、ネットワークスペシャリスト試験について相対的な立ち位置も含め解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.ネットワークスペシャリスト試験とは?
  2. 2.ネットワークスペシャリスト試験の概要
  3. 3.ネットワークスペシャリスト試験相対的な試験難易度
  4. 4.誰が取るべき資格なのか?
  5. 5.まとめ


ネットワークスペシャリスト試験とは?

ネットワークスペシャリスト資格は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催している、情報処理技術者試験のうちネットワークに関するエキスパートスキル(試験の難易度:レベル4)を示す国家資格です。

※出典:IPA 資格区分一覧

※出典:IPA 試験要網より


ネットワークスペシャリスト試験の概要

ネットワークスペシャリストの試験の特徴として以下の3つがあります。
▽4つの試験を受けなければならない(※例外で3つになる可能性あり)
▽1年に1回しか受験のチャンスが無い(毎年4月に行われるのが慣例 ※2021年度以降)
▽合格率が10%~20%程度の難関資格

▽4つの試験を受けなければならない
ネットワークスペシャリストの試験は午前Ⅰ~Ⅱと午後Ⅰ~Ⅱの4つの試験で構成されており、全部で5時間程度の試験なため、ほぼ丸一日かけて試験を受けることになります。

※出典:IPA ネットワークスペシャリスト試験より

午前Ⅰから午後Ⅱまでの全ての試験で60%以上の正答率を求められます。
そのため、非常に幅広い知識と長文読解能力、文章力が必要となり、難易度が高い試験となっております。

午前Ⅰ
午前Ⅰ試験は、他のレベル4試験と共通のテストとなります。
出題範囲が、基礎理論や技術要素から経営戦略、企業と法務までと非常に幅が広いことが特徴ですが、応用情報技術者試験(レベル3)の試験範囲となるため、午前Ⅰ~午後Ⅱの中では一番難易度が低い試験だと言えます。

また、午前Ⅰ試験は以下の条件をクリアしていることで免除可能です。
・応用情報処理試験を2年以内に合格していること
・高度情報技術者試験(レベル4試験)を2年以内に合格していること
・2年以内に受講したレベル4試験の午前Ⅰ試験で基準点以上を取っていること

午前Ⅱ
午前Ⅱ試験は午前Ⅰと同じく、選択方式の試験であり、マークシートでの回答を求められます。
しかしながら午前Ⅰと比較すると、深い知識を求められるため難易度が非常に高くなります。

出題範囲としては、コンピュータシステム、技術(ネットワーク、セキュリティ)、開発技術(システム開発、ソフトウェア開発)の3つの分野からの出題となりますが、その8割程度が技術(ネットワーク、セキュリティ)からの出題傾向にあります。

午後Ⅰ
午後Ⅰ試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱとは異なり、記述式の試験となります。
3つの問題のうち2つを選択して、回答を行います。

午後Ⅰ試験は、ネットワークに関する深い知識が求められ、かつ中長文の読解問題となるため、単純な知識だけではなく、要点を絞り端的に回答する国語力も求められます。

午後Ⅱ
午後Ⅱ試験も午後Ⅰ試験と同様、記述式問題です。
2つの設問のうち1つを選んで答える形式です。

午後Ⅱ試験は、ネットワークに関する総合的な知識が求められ、中長文の読解問題です。
この午後Ⅱ試験がネットワークスペシャリスト試験で最難関の試験と言われております。

「〇字以内で答えよ」という論述式の設問が多いため、ネットワーク全般に関する深い知識に加え、文章作成力も高く求められる傾向にあります。

▽1年に1回しか受験のチャンスが無い(毎年4月に行われるのが慣例)

ネットワークスペシャリスト試験は、毎年1回しか実施されません。
2021年度の試験から毎年4月に実施されるのが慣例となっているため、そのチャンスを逃すともう1年待つ必要があります。

また、申し込み期間も1月中旬から2月上旬と非常に短くなっているため(※2022年度の申し込み期間:2022年1月11日から2月1日18時)、申し込み漏れが無いように注意が必要です。

申し込み期間の確認は、IPAのHPからご確認下さい。

▽合格率が10%~20%程度の難関資格

ネットワークスペシャリスト試験は、合格率が高くて20%程度の難関資格になります。
上述の通り、4つの試験で全て60%以上の正解率が必要になるため、しっかりと準備しなければ合格は難しい試験と言えるでしょう。

直近4年間の合格率の遷移は以下表の通りです。

IPA 情報処理技術者試験 推移表より

勉強の仕方は参考書や過去問題の繰り返し学習や資格スクールに通う、最新ネットワークに関する書籍や雑誌の通読などたくさんありますので、ご自身が一番良いと思う形を選択頂ければと思います。

※Amazonおすすめの参考書過去問題集

ネットワークスペシャリスト試験相対的な試験難易度

では、ネットワークスペシャリスト試験の相対的な試験の難易度はどの程度なのでしょうか?
あくまで一般論とはなりますが、同じネットワーク系の資格であるCisco技術認定試験と比較するとCCNP(Cisco Certified Network Professional)よりは難易度が高く、CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)よりは難易度が低いと言われております。

CCNA<CCNP<ネットワークスペシャリスト試験<CCIE

Cisco技術者認定試験は合格率を公表していないため、数値での比較はできませんが、CCNPと比較すると、ネットワークスペシャリスト試験の方が試験の範囲が広く、また問題の傾向対策ができないように毎年工夫されております。

またCCNPは、CBT形式(コンピュータを用いた試験)での受検となるため、任意の日程で資格受験が可能であり、年に一回しか受検できないネットワークスペシャリスト試験と比較すると圧倒的に合格しやすい資格であると言えるでしょう。

逆にCCIEとの比較で言うと、CCIEの方が知識の深さを圧倒的に求められる資格であり、また、8時間にわたる実技試験は英語のみでの受検と、ネットワーク業界全体で最高難易度の試験と言われており、ネットワークスペシャリストよりも難易度が高い資格になります。


誰が取るべき資格なのか?

では、ネットワークスペシャリスト試験は誰が取るべき資格なのでしょうか?
以下の3つのどれかに当てはまる方が取るべき資格だと言えます。

①ネットワークエンジニアで自身の知識、スキルを証明したい方
②CCNPや応用情報技術者資格を所持しており、次にどんな資格を取ろうか悩んでいる方
③企業の情報システム部門の担当者でかつCCNPや応用情報技術者資格を所持している方

①ネットワークエンジニアで自身の知識、スキルを証明したい方
ネットワークスペシャリスト試験という名前の通り、ネットワーク技術に関連する高度な知識、経験を持っていることを証明できる資格となります。

IPAでの対象者像においても
「高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者」
と記載されております。

IPA ネットワークスペシャリスト試験概要より


つまり、最前線で活躍しているネットワークエンジニアが本資格の対象となることから、資格を取得することで、同等の知識やスキルを有していると証明できるため、ネットワークのエンジニアであれば、取得しておいて損はない資格であると言えます。

②CCNPや応用情報技術者資格を所持しており、次にどんな資格を取ろうか悩んでいる方
上述の通り、ネットワークスペシャリスト試験は、CCNPや応用情報技術者試験の上位資格です。
そのため、CCNPや応用情報技術者試験以上の知識を有していることを証明したい場合、取るべき資格の一つと言えるでしょう。

③企業の情報システム部門の担当者でかつCCNPや応用情報技術者資格を所持している方
②でも述べた通り、CCNPや応用情報技術者資格を取得済みの方で特に情報システム部門に所属されている方は取得を検討して損は無い資格です。

情報システム部門では、企業のインフラ基盤(サーバーやネットワーク、PC)とアプリケーションなど多くの範囲を管轄することになっているケースが大半ですが、ネットワークは全ての業務に直結するためです。

CCNAとは!?情シスメンバーが取得する意義は?の記事でも記載しましたが、ネットワークインフラに関する知識は情シス業務の基盤知識と言え、必修科目であると言えます。
さらにネットワークインフラも日々進化しているため、知識のアップデートをし続けなければなりません。

その意味でも、ネットワークインフラに関してより深い知識を求められるネットワークスペシャリスト試験は、受検を検討するに値する資格の1つだと言えるのではないでしょうか。

※はじめて情シスに配属された方が取るべき資格はこちら

まとめ

今回、ネットワークスペシャリスト試験(略称 ネスペ)について解説してきました。
ネットワークスペシャリスト試験は、IPAが主催する国家資格の一つであり、IPAの情報処理技術者試験の中では難易度が最上位のレベル4に位置づけられている資格です。

試験の範囲が広く、かつ文章を読み解く力や回答を短い文章にまとめる力なども要求され、他のネットワーク関連の資格と比較しても、難易度は高いレベルにあります。

ご自身のネットワークに関する知識とスキルの証明となるため、
・ネットワークエンジニアの方
・情報システム部門に所属されている方

は取得の検討をされてみてはいかがでしょうか。

ご自身で取得するのではなく、ネットワークスペシャリスト資格取得者と同等のエンジニアが今すぐ必要だという方は、お気軽にお問い合わせください。


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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。


土井 広毅
土井 広毅
営業兼ライター。 アイエスエフネットの多岐に渡るソリューションの営業業務、部門のマネジメントを行う傍らで、 WEBコンテンツの制作に悪戦苦闘する日々を送る。 座右の銘は「為せば成る」

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