Microsoft 365でワークフローを改善|SharePoint Onlineを利用しよう!
「さまざまな業務をこなしているけど、無駄が多い気がする」
「生産性を上げるために、日々の業務をもっと効率化できないかな?」
企業にとって業務の効率化と労働生産性向上が求められる中で、見過ごしにされがちなのが「ワークフローの改善」とも言われています。
さまざまなITツールを導入して業務改革や働き方改革を進めても、その前提となる申請・承認をはじめとするワークフローが非効率なままでは、業務改革や働き方改革がスムーズに進展する訳がありません。
今回は、非効率なワークフローを改善したいと考える方のために、従来型(紙ベース)のワークフローで発生しやすい問題や、Microsoft 365の導入で改善が期待できる点についてご紹介します。
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ワークフローとは
そもそもワークフローとは「あらかじめ決められた流れに沿って業務を進めること、もしくはその流れを図式化したもの」を指します。
とくに重要となってくるのが、業務における意思決定のプロセスです。
企業の意思決定においては「誰が何の目的で業務に関する案件を起案し、上長の承認を求め、決定権者の決裁を得るのか」というプロセスが必要になります。
たとえばMicrosoft 365を導入する場合は、現場の情報システム管理者が、下記のような項目を客観的に説明した添付資料を添えて導入申請の稟議書を起案し、情報システム管理関連部門・経理部門責任者の承認と経営トップの決裁を得る必要があります。
■Microsoft 365導入に向けた稟議時一般的に必要な項目
・Microsoft 365の導入目的
・上記を導入しなければならない理由
・上記の導入効果
・上記の導入予算
また、企業のワークフローにおいて、稟議の対象となる業務としては、一般的に次が挙げられます。
■一般的に稟議を必要とする内容
・設備・備品の購入申請
・経費申請…………出張費、交通費、交際費、社外会議施設・イベント会場利用費など
・労務申請…………有給休暇取得、休日出勤、残業など
・営業関連申請……プレゼン、契約書締結、接待など
・その他の申請……福利厚生施設利用、社外研修参加、資格取得勉学補助費など
これらのワークフローは、申請内容ごとに申請書への記載項目や添付書類が異なり、「申請⇒承認⇒決裁」のフローも異なるケースが一般的でしょう。
また、稟議書が必要なワークフローの場合、承認に関わる部署や承認者が多いため、申請から決済までの手続きが複雑化し、OK・NGの結果が出るまで時間がかかります。
皆さまも、出張費の申請した時に承認まで決済完了まで、かなりの時間が掛かった経験はないでしょうか。
既存のワークフローで問題が起こる要因
企業において既存のワークフローで問題が発生する主な要因は以下の3点です。
*ワークフローの複雑化
*意思決定プロセスの欠如
*誤った経営判断
*ワークフローの複雑化
上記であげた3要因の中でも、圧倒的に多いのが「ワークフローの複雑化」です。
ワークフローが複雑になりやすい背景として、従来のビジネス習慣が関係していると言われます。
すなわちワークフローを処理するために、起案者がそれぞれ紙ベースの書類を作成し、一歩一歩階段を上るように各段階の上長の承認印を連ねて決裁権者の決裁を得ていた従来型の仕組みが、プロセスを複雑化させているということです。
紙ベースのワークフロー処理をするためには、まず案件書類の確認・承認が必要です。
このフローの途中にある段階の上長が不在の場合は、そこで確認がストップします。
また上長からその上の上長へとリレー式に案件書類がバトンタッチされるため、起案をした案件担当者は、承認フローがどこまで進んでいるのか把握できません。
決裁がおりるまで当該案件に関する業務は棚ざらし状態になりやすく、業務が滞る原因になります。
ワークフロー問題をツールで改善するには
では、ワークフローはどうすれば改善できるのでしょうか。
まずは客観的にワークフローを見直すことが必要です。
他社の事例や最新のワークフローの進め方などを参考に、業務の一連の流れを根本から見直し、そして改善していきましょう。
改善に役立ちやすいのが、ワークフローをオンラインでデジタル処理する「ワークフローツール」です。
従来は紙ベースの書類の物理的回覧で行っていた処理を、ツールの「申請フォーマット」で起案書類をデジタル化し、承認・決裁をオンラインで処理する仕組みへ移行することにより、多くの問題を解決できる可能性があります。
一般的なワークフローツールの機能
ワークフローツールは様々なITベンダが、それぞれ工夫を凝らしたツールを提供しています。
これらのツールに共通する基本機能として、次が挙げられます。
*フローの定義
*起案書作成
*オンライン承認・決裁
*フローの定義
申請、承認、決裁といったプロセスを設定する機能です。
設備・備品購入、経費申請など案件の特性に応じて、適切に処理するためのフローを自社に合わせてカスタマイズできます。
*起案書作成
ワークフローで使用する申請書を作成する機能です。
ツールの所定フォーマットに必要事項を記入すれば申請書を自動的に作成したり、既存申請書を再利用したりできるものが多く、申請書作成を省力化できます。
さらに経費申請、労務申請などいずれの組織でも共通の定型的な申請書はテンプレートを用意し、テンプレートをそのまま申請書として使えるツールも少なくありません。
*オンライン承認・決裁
申請書を承認者や決裁権者が承認・決裁するための機能です。
起案者が申請書をオンライン回覧すると、それがリアルタイムで承認者にメールやチャットで通知されるため、承認者は申請書を査読して承認または却下を判断します。
一般的なワークフローツール導入のメリット
ワークフローツール導入のメリットとして、一般に次が挙げられます。
*既存ワークフローをベースにしたワークフロー改善
*意思決定の迅速化
*承認作業の省力化
*多様なワークスタイルに対応
*ワークフロー処理のコスト削減
*既存ワークフローをベースにしたワークフロー改善
申請―承認―決裁のプロセスを一元管理でき、起案者はワークフロー処理の進捗状況をリアルタイムで把握できます。
申請却下・再申請の決定にも迅速対応でき、またワークフローツールは、業務混乱を招きやすいワークフロー変更の必要がないため、自社内で定着している既存ワークフローをベースにしたスムーズなワークフロー改善が可能です。
*意思決定の迅速化
申請―承認―決裁のプロセスを一元管理でき、起案者が申請書を作成すれば、ツールの回覧ルート自動判定機能により、あらかじめ設定した案件承認者にのみオンラインで共有されます。
また承認者は外出先からでも回覧案件の査読・承認が可能なため、社内不在による承認停滞を防止できます。
*承認作業の省力化
ワークフローツールにより申請書の内容に応じたフォルダの一元管理や申請書の案件別一覧表示が可能になります。
また承認に必要な過去申請書の参照や添付書類の過去資料参照が容易になり、承認者は承認作業の省力化を図れます。
*多様なワークスタイルに対応
起案者はパソコン、タブレット、スマートフォンなど多様な端末から申請書作成・回覧ができ、承認者も同様の承認作業ができるため、リモートワークを始め場所と時間に囚われないワークスタイルでワークフロー処理ができます。
*ワークフロー処理のコスト削減
紙ベースの書類回覧が不要なため、ワークフロー処理に伴う書類作成・印刷、書類保管スペースなどのコストを削減可能となります。
Microsoft 365導入企業のワークフロー改善
Microsoft 365を導入している企業は、ワークフロー改善のハードルが低いと言われています。
なぜならMicrosoft社がMicrosoft 365の追加機能とも言えるワークフローツール「SharePoint Online」を提供しているからです。
SharePointOnlineはMicrosoft 365と同様にクラウド上で利用するツールです。
ツールを導入することで、以下4点のワークフロー改善を期待できます。
*申請・承認
*フィードバック情報収集
*タスク三段階管理
*Webコンテンツ配信承認
*申請・承認
SharePointOnlineに限った機能ではありませんが、申請書をあらかじめ設定したオンライン上のルートで申請、承認を行うことができます。
回答期限の設定など、承認プロセスを効率化する機能も搭載されています。
*フィードバック情報収集
申請書を閲覧した承認者や部署に、その情報のフィードバックを依頼できます。
得られたフィードバック情報は自動的に集計され、閲覧記録と一緒にフィードバックを依頼した申請者に送信されます。
*タスク三段階管理
タスクの進捗状況を一元管理できる機能があります。
具体的には主に以下の三段階でタスクを管理・追跡できます。
・アクティブ:管理者が担当者にタスクを割り当てた段階
・レビューの準備:自分に割り当てられたタスクを処理し、管理者へ承認を求める段階
・完了:管理者が担当者のタスク処理を承認した段階
*Webコンテンツ配信承認
Webコンテンツの作成・配信に関わるすべての承認作業をオンラインで処理できます。
ワークフロー処理の基本的な仕組みは、(1)の申請・承認ワークフローと同一です。
まとめ
今回、従来型(紙ベース)のワークフローで起こりうる問題とその対策としてのワークフローツールの導入、またMicrosoft 365を利用することで問題解決につながる理由を述べてきました。
*従来のワークフローで起こりうる問題
・自分の上げた申請が今どういう状態なのかがわからない
・決裁までに複数の承認者がいるためそのうちの一人でも対応が滞ると処理が進まない
・承認者が社内にいなければ処理ができない
*Microsoft 365(SharePoint Online)利用での問題解決
・申請、承認のルートを設定でき、申請の状況を追跡できる
・承認の対応フローが見える化されるため、承認者へ直接リマインドが可能
・クラウドサービスのため、社内外問わずに承認対応が可能
上記の問題解決は、Microsoft 365(SharePoint Online)に限った話では無いため、クラウドサービスのワークフローツールを導入することで解決できます。
しかしながら、Microsoft 365の法人向けプランを契約するとSharePoint Onlineが付帯される(※)ため、他のワークフローツールを別で契約する必要がないことが魅力です。
※一部プランには付帯されておりませんので、気になる場合はお問い合わせ下さい。
※Microsoft 365の法人向けプラン一覧はこちら
今までの慣例として続いている業務習慣を変えるのは難しいかもしれません。
ただし、非効率なワークフローでは、自社の業務停滞を招いたり、利益獲得のチャンスを逃してしまう要因になってしまう可能性があります。
現場の意思決定を迅速化し、生産性向上を考えるのであれば、ワークフローを見直してみることが第一歩かもしれません。
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