クラウド移行の事例と課題を解説!クラウドマイグレーション
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はじめに
御社ではいくつクラウドサービスを利用されていますでしょうか?
総務省によると、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は約7割(2020年現在)となっており、年々増加傾向となっています。
参照:総務省「令和3年版情報通信白書」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/index.html
グループウェアは「Microsoft 365」、コミュニケーションツールは「Slack」、名刺管理は「Sansan」というように、今や複数のクラウドサービスを利用している企業も多いかと思います。そんな中、世の中のクラウドサービスも多種多様になってきております。
情報システム部の皆様におかれましては、既存のクラウドサービスから新しいクラウドサービスへ移行を検討される機会もあることでしょう。
今回は2大クラウド型グループウェアである、Microsoft 365とGoogle Workspaceを中心に、クラウドサービス移行の事例と、移行時の課題について解説いたします。
Microsoft 365とGoogle Workspace
Microsoft 365とGoogle Workspaceはどちらもクラウド型のグループウェアサービスです。サービス名に違いはありますが、下記のような機能があります。
機能 |
Microsoft 365 |
Google Workspace |
文書作成 |
Word |
ドキュメント |
表計算 |
Excel |
スプレッドシート |
プレゼンテーション |
PowerPoint |
スライド |
メール |
Exchange Online |
Gmail |
会議ツール |
Microsoft Teams |
Meet |
ストレージ |
OneDrive |
ドライブ |
Microsoft 365(旧:Office 365)
Microsoftが提供しており、Word、Excel、PowerPoint などのドキュメント作成関連ツールが主力機能です。
加えて、オンライン会議やオンラインストレージといった機能は、リモートワークが進んできた現在、社員間の情報共有にとって重要なツールとなっています。
Google Workspace(旧:G Suite)
Googleが提供しており、機能面はMicrosoft 365と大きな違いはありませんが、2020年10月にこれまでの「G Suite」から「Google Workspace」へのリブランディングが話題になりました。
従来「人数無制限」や「容量無制限」などのお得感を売りにしていた分、リブランディングによって利用人数の上限設定や、ストレージ容量の制限が追加されたため、プランによっては実質値上げとなった、との声もきかれました。
具体的なツールでいうと、Google Vault(コンプライアンス対策のためのレポーティングツール)という機能が、上位プランに移行してしまったという変更点があります。
Google Vaultのデータは、コンプライアンスを重視する企業にとっては欠かせない重要データであるため、頭を悩ませた方も多いのではないでしょうか。
このように、クラウドサービスのサービス内容が変更されることは少なくありません。
サービスの利便性向上となる変更もあれば、コスト面で利用者の負担が大きくなる場合もあります。
Microsoft 365も、来年からライセンスの値上げがアナウンスされているプランもありますので注意が必要です。
サービス内容の変更をきっかけに、既存のクラウドサービスからの別サービスへの移行を検討される場合もあるかと思います。続いてはクラウドサービスを移行するパターンとして他にどのようなケースがあるかご紹介します。
クラウド移行の事例
クラウド移行とは、既存のアプリケーションやデータを新しいクラウド環境へ移行することです。
移行のきっかけとしてよくある事例には以下があります。
①既存クラウドサービスのサービス終了・変更に伴う移行
②組織変更に伴う移行(企業統合、分離等)
③オンプレミスからクラウドへの移行
①既存クラウドサービスのサービス終了・変更に伴う移行
Google Workspaceのように既存サービスの内容が変更された場合や、そもそもサポート期限が終了してしまった、といったケースです。
コストや利便性の観点から、移行先のクラウドサービスを検討することになります。
②組織変更による移行(企業統合、分離等)
グループ企業の再編や、企業買収などによってまったく文化の異なる企業同士が同じ組織となる場合があります。
たとえば、一方の企業はMicrosoft 365、他方はGoogle Workspaceと別々のグループウェアを使用しているケースでは、どちらか一方のデータを他方に移行することになります。
組織内で使用するツールが異なることにより、データの管理やアクセス方法などのポリシーに差が出ると、セキュリティリスクが上がったり利便性が下がったりといった結果を招くためです。
あるいは同じツールを使用している企業同士でも、たとえばMicrosoft 365のテナント(※組織に紐づいたユーザーアカウント)が異なる場合には、どちらかのテナントにデータを統合することで、ライセンスやテナント管理などの運用コストを下げることが可能です。
③オンプレミスからクラウドへの移行
リモートワークの推進に伴って、オンプレミスで運用していたメールサーバーやファイルサーバー等をクラウドに移行する動きも加速しています。
セキュリティリスクへの懸念から今までクラウドの導入に慎重だった企業も、まずはメールだけ、といった形でスモールスタートでの移行を進めているケースも増えています。
クラウド移行時の課題
クラウドに限ったことではありませんが、既存環境から新しい環境へ移行する場合は既存のデータを新環境へ移行する作業が発生します。
異なるクラウドサービスへデータを移行することによって、移行後のデータの整合性がとれているかどうかの確認が必要です。
グループウェアにため込まれたメールやカレンダー、各種ファイル等の膨大なデータを損うことなく移行できるのか?スムーズに移行できなかった場合に業務が止まってしまうのでは?といった課題があります。
移行計画から実際の移行作業までを利用者主導で行うのはとても工数のかかる作業ですので、移行ベンダーと協力しながら行うのが安心です。
まとめ
クラウド移行はデータ移行等を考えると綿密に時間をかけて実行に移していくことが重要ですが、
・既存クラウドサービスのサービス終了・変更に伴う移行
・組織変更に伴う移行(企業統合、分離等)
などは、いつ起こるかタイミングが読めないことも多いです。
そのため、各種クラウドサービスの特徴と、移行の際に自社でできる作業はどこまでかを把握しておき、移行作業ベンダーの選定もあわせて検討しておくと、安心して移行に備えることができるでしょう。
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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。