グローバルヘルプデスクの満足度を上げるには?|英語用語集も紹介
ユーザーからの問い合わせや問題の受付窓口となるヘルプデスク。
その対応と満足度は非常に重要であり、ヘルプデスクの対応によって企業イメージや評価にも繋がるでしょう。
さらに最近は国内だけでなく、グローバル事業展開により海外のユーザーに対する対応で困っている企業も多いかと思います。
今回は、このようなヘルプデスクの様々な課題を解決するための、ベストプラクティスを解説していきます。
ヘルプデスクの概要から、顧客満足度を上げる方法を解説し、ヘルプデスクでよく使われる用語集(英語と日本語の対話付き)もご用意しましたので、ご参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.ヘルプデスクとは何か?
- 2.ヘルプデスクの役割と重要性
- 3.ヘルプデスクの動向とグローバル展開
- 4.ヘルプデスクの顧客満足度を向上させる方法
- 4.1.迅速で正確な対応
- 4.1.1.実現するための具体策
- 4.2.意思疎通が円滑で、丁寧な接し方
- 4.2.1.実現するための具体策
- 4.3.お客様の反応・フィードバックを聞き、受け入れる
- 4.3.1.実現するための具体策
- 5.ヘルプデスクでよく使われる用語集(英語と日本語の対訳付き)
- 6.まとめ
ヘルプデスクとは何か?
ヘルプデスクとは、顧客やユーザーのITや技術的な問題を解決するために構成されている、チームまたは仕事のことを指します。
たとえば業務をやっているなかで急にパソコンが使えなくなったり、ある製品をつかっているときに不具合が発生したりした際に、問い合わせをするところがヘルプデスクとなります。
ヘルプデスクの仕事や種類などにつきましては、下記の記事で細かく解説しておりますので、ご参考ください。
ヘルプデスクの役割と重要性
ヘルプデスクの主な役割は、ユーザーの問題を解決することです。
そのため、ユーザー様の中には機器の不具合で仕事が進められずイライラしていたり、時間に追われている方など感情的にホットになっている場合が多いです。
ホットになっているお客様を放置すると、新規顧客はもちろん既存顧客からの満足度が下がってしまい、全体的な企業の評価が落ちてしまう可能性があります。
それをどれだけ迅速で親切に対応し、落ちてしまった評価を持ち上げるのかはヘルプデスクの能力次第だと言っても過言ではありません。
そのため、ヘルプデスク担当者は顧客満足度を上げていくために、ヘルプデスクの体制と課題点を振り返り、アップグレードしていかなくてはなりません。
ヘルプデスクの動向とグローバル展開
企業のなかには、ヘルプデスクの専門部隊を持っている企業もあれば、社内SEが兼任しているところもあると思います。
また、業務の効率化のためにヘルプデスクの業務だけを社外に委託している企業も多いでしょう。
近年はAIを利用し、ヘルプデスクの自動化もできるようになりました。
さらに最近のお客様のニーズを見てみると、近年日本語と英語の第2言語ができる、いわゆるバイリンガルヘルプデスクの要望が多くなっています。
その理由としては、海外ビジネス展開に伴う海外顧客との取引増加、そして日本に進出してくるグローバル企業では、多国籍の従業員を採用している場合が多いことから、多言語でのヘルプデスクのサポートが必要となるからです。
企業によっては海外にヘルプデスク拠点を置く場合もありますが、莫大な金額が発生してしまうため、なかなか実現するにはハードルが高いと思います。
このような社会的変化によりユーザー層が変わってしまったため、ニーズに合わせて体制を整え、顧客満足度を上げる必要があります。
ヘルプデスクの顧客満足度を向上させる方法
では、実際に顧客の満足度を向上させるにはどうしたらよいのでしょうか。
この記事を読んでいるあなたも、何かしらの製品・サービスを使用するユーザー側の立場になった経験はあると思います。
自分がユーザーの立場になったとき、ヘルプデスクにどのような対応をしてもらえたら満足度が上がるのかを考えてみましょう。
以下は、ヘルプデスクの満足度を向上させる方法と、実現させるための具体策です。
迅速で正確な対応
ヘルプデスクに問い合わせをしてくるユーザーの多くは「誰でもいいから早く解決してほしい!!」と思っていることが多いと思います。
そのためヘルプデスクでは迅速で正確な対応が求められるものが多いです。
だからといってスピードだけを重視して、間違った回答をしてしまったら根本的な問題は解決できないまま、信頼は下がってしまいます。
迅速かつ正確であることは、満足度を上げるためには欠かせない要素です。
実現するための具体策
オペレーターの対応研修実施
まずは、対応するオペレーターにチケット処理法やマニュアルなどの教育を行うことで、細かいミスを防ぎ身に着けることが重要となります。
モニタリングを実施
実際にオペレーターがどのように対応しているかを、スーパーバイザー(※)やミステリアスコール(※)を通してモニタリングを行いましょう。
改善策、解決策を探していくことによって、オペレーターのスキルが上がり、迅速で正確な対応ができるようになります。
※スーパーバイザー:ある組織や企業の部署や現場を監督する管理職のこと。主に、従業員の指導や業務の進捗管理、品質管理、問題解決などを担当し、部下たちが業務を円滑に進めるためのサポートやアドバイスを行う。
※ミステリアスコール:ヘルプデスクの電話オペレーターの接客などについてチェックするために、コールセンターの関係者(あるいは外部の委託者)が顧客のふりをして、ヘルプデスクに電話をかけること。
トークスクリプトを作成・更新する
ある程度テンプレート化されているトークスクリプトを準備することは、サービスを安定化し研修の時間を短縮させることができます。
トークスクリプトは、お客様の反応や希望によって随時変更をかけていくことも大事です。
CTIシステムを導入する
CTI(Computer Telephony Integration)は、電話とコンピュータシステムを連携させるシステムのことを指します。
ユーザーからの電話があった瞬間、コンピューターから顧客情報や対応履歴などが自動的に表示されるので、オペレーターの業務効率化が実現できます。
意思疎通が円滑で、丁寧な接し方
ヘルプデスクなら当たり前なんじゃない?と思われるかもしれませんが、さきほど明記したようにグローバル化により、海外または外国籍ユーザーからの問い合わせがくることがあるかと思います。
その際にユーザー側は「困っているけど相手が外国籍で話が進まない……」また、情シスの方なら「海外ユーザーへの丁寧な接し方が分からない」と思っている方がいらっしゃると思います。
迅速で正確な対応のためには、まずコミュニケーションが取れている前提が入りますが、
そもそも言葉の壁によって前に進めない場合、満足度は下がってしまう可能性が高いです。
実現するための具体策
オペレーターの研修実施
すでに会社でヘルプデスク要員が準備されている企業なら、今のオペレーターに外国語を学習させることで解決することができます。
日本語と英語などの言語だけでなく、声のトーンや大きさ、心構え、言葉遣いなどの研修を行うことで全体的なサービスの質が上がってくると思います。
しかし、個人の学習能力によってマスターするまでに時間はかかってしまう可能性があります。
多国語ができるオペレーターを採用
海外からのユーザーが多い場合は多国語ができるオペレーターを採用することも良い解決方法になります。
採用及び教育にかなり時間と費用がかかりますが、体制が整ったらより幅広くて質の高いサービス提供が可能になります。
もし、自社での採用と教育が現実的に難しい場合は派遣といった形で既に教育済みの人材を受け入れることもできます。
すでに多国語対応ができて、接し方のトレーニングができた人材を入れることで、時間とコストを削減でき、質の高いサービスを提供することが可能となります。
お客様の反応・フィードバックを聞き、受け入れる
お客様からのフィードバックを頂くことで、ヘルプデスクの課題点を見つけることができます。
直接お客様からの生々しい声を聴くことによって、管理側では見れなかった部分で分かるようになります。
実現するための具体策
顧客満足度(CSAT)の調査の実施
顧客満足度(Customer SATisfaction Score)を測定するにはいろんな方法がありますが、一般的には、5段階-10段階に分けて評価することが多いです。
例)①不満/②やや不満/③どちらでもない/④満足/⑤大変満足
このアンケートの結果から下記の計算式を利用して満足度を数値化することができます。
CSAT計算式を活用する
【満足した顧客の数 (例の場合は4④と⑤)】 /【 アンケート回答数】x 100 = 【満足した顧客の数 (%)】
こちらの計算式で計算した結果を同業他社のスコアと比較することもできます。
Googleなどの検索エンジンで「CSAT score range」などで検索したら業界、ブランドごとの平均スコアを知ることができます。
ACSI (American Customer Service Index)では業界、セクター、ブランド、企業のベンチマーク スコアを提供しています。ご参考ください。
ヘルプデスクでよく使われる用語集(英語と日本語の対訳付き)
ここからはグローバルヘルプデスクにて意思疎通が円滑に行われ、丁寧な接し方に役立つ英語表現を準備しました。
英語のヘルプデスクでよく使われる表現をまとめてみましたので、あらかじめおさえておくと焦らず対応ができるでしょう。
【初めの挨拶】
・Thank you for calling [company name]. How may I help you?
「会社名」にお電話いただき、ありがとうございます。ご用件はいかがでしょうか?
・[company name]Help Desk. This is [name]. How may I help you?
(日本語)「会社名」ヘルプデスクの「名前」でございます。ご用件はいかがでしょうか?
【個人情報の確認】
・May I please have your phone number?
・Can we call you back at the same number, or do you have a better call back number?
・would you spell it for me please?
【問い合わせ内容の確認】
What
・Could you please explain in detail what is currently happening and what issue you are facing?
現在、直面している問題を詳しく教えていただけますか?
Where
・Where is this issue happening?
この問題はどこで起きているのでしょうか?
・May I inquire as to the specific location where this issue is taking place?
この問題が起こっている具体的な場所について問い合わせてもいいですか?
When
・When does this issue typically happen? When did it start?
この問題は、一般的にいつ起こるのでしょうか?いつから始まったのでしょうか?
Why
・Did anything notable happen beforehand (such as a software update)?
事前に何か目立った出来事(ソフトウェアのアップデートなど)があったのでしょうか?
Who
・Who else does this issue affect besides you?
この問題は、あなた以外に誰に影響を与えているのでしょうか?
How
・Have you tried to fix the issue until now?
今まで問題を解決するために試したことはありますか?
【謝罪】
・I'm really sorry for the inconvenience, I would probably feel the same way if I'm in your situation. But, don't worry, I promise you that we'll get your issue resolved.
ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません。しかし、ご心配なく、必ず問題を解決いたします。
【締めの挨拶】
・Is there anything else you need my help with?
他に何か私の助けが必要なことはありますか?
・Thank you very much, and don’t hesitate to contact us again if you need any further assistance.
ありがとうございました!また何かありましたら、遠慮なくご連絡ください。
・Thank you for contacting us and having a great day!
ご連絡ありがとうございました!素敵な一日をお過ごしください!
【その他の表現】
・ I'm sorry, can you please, repeat yourself?
申し訳ありませんが、もう一度お願いします。
・Thank you for your patience.
お待たせいたしました。
まとめ
今回は、ヘルプデスクの満足度を上げる方法について解説しました。
ヘルプデスクの満足度を上げる方法は以下のポイントをおさえることが重要です。
- 迅速で正確な対応ができていること
- 意思疎通が円滑に行われており、丁寧に接していること
- お客様からのフィードバックを聞き、受け入れること
しかし、このような解決法が上手く実現できてない場合もあるかと思います。
短期間で満足度を上げたい、教育や採用に掛けるコストと時間がないなどの課題点を持っている方々にはコンサルティングを含めたアウトソーシングを検討したり、経験豊かな人材を受け入れることをお勧めします。
もし、ヘルプデスクについてお困りの方は、アイエスエフネットまでご相談ください。
アイエスエフネットでは、ヘルプデスクをアウトソース可能であることはもちろん、日本語・英語でのバイリンガル対応や、バイリンガルのITインフラエンジニア派遣も可能です。